司法試験H23公法系科目第6問【政教分離】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H23第6問を解説していきます。

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〔第6問〕(配点:3) 政教分離に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№8]から[№10])

ア.県知事の大嘗祭への参列は,日本国及び日本国民統合の象徴である天皇に対する社会的儀礼を尽くすことを目的とするものであり,その効果も,特定の宗教に対する援助,助長,促進又は圧迫,干渉等にはならず,政教分離規定に反しない。[№8]

イ.靖国神社及び護国神社は,憲法第89条にいう「宗教上の組織若しくは団体」に該当することは明らかであり,国又は機関が靖国神社や護国神社に玉串料等として公金を支出すれば,直ちに違憲となる。[№9]

ウ.町会は,地域住民によって構成される町内会組織であって,宗教的活動を目的とする団体ではなく,町会が地蔵像の維持管理を行う行為も宗教的色彩の希薄な伝統的習俗行事にとどまるから,市が地蔵像建立のために市有地を町会に無償提供した行為は,政教分離規定に反しない。[№10]

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000073969.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000074976.pdf

アについて

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この判例では、県知事の大嘗祭への参加が目的効果基準に違反するものではなく、その関わりの程度も相当とされる限度を超えていないとされました。 そのため、解答は1となります。

イについて

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国家と宗教が一切関わりを持たないことは不可能に近く、そのため、公金支出における関わり合いが相当とされる限度を超える場合に判断されるべきとしています。 以上より、解答は2となります。

ウについて

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大阪地蔵像訴訟では、事業の円滑な進行を目的とした地蔵像の建立のために市有地を提供した行為が政教分離原則に違反するかが争われました。

この点、最高裁は津地鎮祭訴訟で用いられた目的効果基準に違反せず、関わり合いが相当とされる限度を超えるものではなかったとしています。 そのため、解答は1となります。

 

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