司法試験H23公法系科目第20問【条例】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H23第20問を解説していきます。

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〔第20問〕(配点:3) 条例に関する次のアからウまでの各記述について,aの見解からbの見解が導き出せる場合には1を,導き出せない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№38]から[№40])

ア.a.地方公共団体の制定する条例は,憲法が定める「地方自治の本旨」に基づき,憲法により制定する権能を定められた自治立法である。

b.条例により,住民の基本的人権に制限を課すことも可能であるが,憲法第14条に照らし,このような制限が地域による差別を生ずることは憲法上許されない。[№38]

イ.a.地方自治法は,政策に関する住民投票制度を規定していないが,憲法の定める「地方自治の本旨」からして,地方公共団体が住民投票を行うことは認められる。

b.条例で住民投票制度を設け,「首長は,事務の執行に当たり,その結果を尊重するものとする」と定めた場合,首長には,住民投票の結果に従うべき法的義務がある。[№39]

ウ.a.条例が法律に違反するかどうかは,それぞれの趣旨,目的,内容及び効果を比較し,両者の内容に矛盾抵触するところがあるかどうかによって決するべきである。

b.地方公共団体が,法律と同一目的で同一の汚染物質について,条例でより厳しい排出基準を定めたとしても,その条例が直ちに法律に違反するとは言えない。[№40]

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000073969.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000074976.pdf

アについて

イについて

a の見解では「住民投票を認める」という見解で、b 「従う義務がある」という見解は導くことができないと考えられます。 あくまで可能としているだけですので、解答は2となります。

ウについて

a 「違反するかどうかは様々な事を判断する必要がある」、そのため、b 「その条例が直ちに法律に違反するとは判断できない」という見解が導きます。 これは、徳島市公安条例事件より明らかですので、解答は1となります。

 

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