2月7日のプライムニュース【韓国の文大統領と政権について】
みなさん、こんにちは!
今回は、2月7日のプライムニュースをまとめようと思います。
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文大統領政権の支持率
伝えられているムンジェイン政権の支持率について、
- 就任時:84%
- 現在:48%
こんな感じになっていて、就任時から30%以上も下落しています。とはいっても、これくらいなら日本では高いほうです。
支持率下落の原因
では、なぜ30%以上も支持率が下落してしまったのか。これについては、いくつか理由が挙げられていました。
今回は、その中で2つほど取り上げてみようと思います。
腹心のキムギョンス知事
僕が一番関心が強かったのは、キムギョンス知事が世論操作で実刑判決を受けたということです。
韓国の司法では政権有利の判決を出すことが多いようですが(これはのちに触れる)、今回は1審で知事に実刑判決が下されました。
それはおいといて、とにかく知事が行った「世論操作」が異常なくらいだったのです。
大統領選時にはなんと8840万回にも及ぶインターネット上の世論操作をしていたとのことです。
今回問題となっているのは、8000万回という回数です。
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朴槿恵政権でも世論操作はあった
実際、朴槿恵政権でも世論操作が行われていたようですが、それは国家諜報員らによるもので数百回程度のものでした。
そうなると、その知事の世論操作はかなりの影響を与えている問題であることがわかると思います。
世論操作の影響はどれくらい?
ただ、これほど世論操作があったとはいえ、かなり支持があったムンジェインが大統領になれたことに影響を与えたかどうかは不明です。
おそらく、これは立証のしようがありませんが、かなり影響力を与えたことには間違いないでしょう。
若者への施策
もう一つ挙げられる理由が若者への施策が十分でないことです。その証に、若者世代の失業率を示してみましょう。
若者世代、つまり15~29歳の失業率は、
- 8.6%
これに対して、全世代の失業率は、
- 3.4%
となっています。確かに、若者の失業率が前世代の失業率に対してかなり深刻であることがわかります。
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一番重要な世代
若者世代は政権の一番の支持層、つまりムンジェイン政権にとっては一番重要な世代となっているんです。
それなのに、十分な政策を実施できていない。
韓国の大学進学率は7割というふうにどなたがおっしゃっていましたが、かなり大卒者が多いことになります。
日本では大卒者のほとんどが資格できるのに、韓国ではそうではない。大企業に就職したい若者が多いようですが、それでもかなり深刻な数字ですよね。
以上が、ムンジェイン私見の支持率悪化になっていると思われます。
文大統領は国益を考えていない!
昨日のプライムニュースでは、「大統領は政治・経済・安全保障・人権・社会福祉を総合的に考慮して国益を増進することを考える」という発言がありました。
つまり、ここから考えると、文大統領はまったく国益を考えて動いていないことになります。
徴用工・慰安婦問題
文大統領はこの2つの問題を掘り返していますよね。
確かに重要な問題ではあるのですが、この2つの問題はすでに解決済みです。なので、掘り返さないのが普通。
この問題を掘り返すことで国益が増進しないことに文大統領は全く気付いていません。これは、人権弁護士時代から何一つ変わっていない姿勢になります。
ところで、この問題を掘り返すことでどんな問題が起こるのでしょうか。
日本企業撤退
こうした問題を通して、日本企業が韓国から撤退したり、政府への投資をしぶるおそれがあると思います。
もし撤退することになれば、韓国国内の雇用は減少、つまりさらなる支持率悪化につながります。
それは、若者が十分な職に就けず国益につながらないということを意味していますね。
それでも大統領は辞められない
こうしたことがわかっているとしても、文大統領は日本批判・反日感情を煽ることをやめられません。
なぜなら、支持率が低下している中で、それが唯一支持率を保つことにつながると考えているからです。
しかし、そんなことをしては、日本企業撤退・日本との関係悪化につながることになり、国益増進になりません。
あるところで区切りをつけて妥協することが必要になるでしょう。
まとめ
支持率低下、財閥の減収などから文大統領政権は就任2年目で危機に陥っていると思われます。
それでも国益を増進できないとなれば、国民の不満が続出することは間違いないでしょう。
今後、大統領がどのように国内・国外問題に対応するのか注目が集まりますね。
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民法判例【第三者による賃借物の使用と契約の解除について】
みなさん、こんにちは!
今日は、最高裁判決昭和28年9月25日を紹介していきます。
判決全文はこちらになります↓
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争点
賃借人が賃貸人の承諾なしに、第三者に賃借物を使用させた場合、賃貸人は常に契約を解除できるか。
判決
「賃借人が賃貸人の承諾なしに第三者に賃借物を使わせた場合でも、賃借人の行為が賃貸人に対する背信的行為と認めることができない特段の事情があれば、民法612条2項の解除権は発生しないと考えられる
そのため、賃借人が賃貸人の承諾なく第三者に賃借物の使用または収益をさせた場合でも、賃借人の行為が賃貸人に対する背信的行為とは認められない特段の事情があれば、賃貸人は民法612条2項により契約を介尾できない」
以上より、賃借人が賃貸人の承諾なしに第三者に賃借物を使用させても、賃貸人は常に契約を解除できるわけではないことが分かります。
民法判例【代諾養子縁組と追認】最高裁判決昭和28年1月22日
みなさん、こんにちは!
今日は、最高裁判決昭和28年1月22日の判例を解説していきます。
判決全文はこちら↓
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争点
不法原因給付で受けとったものを返還する特約は有効か無効か。
判決
「受領者が、不法原因給付で受け取ったものを、給付した人に任意返還することはもちろん、それより前にした不法原因契約を合意解除して、その給付を返還する特約をすることは、民法708条で禁止されていない」
そのため、不法原因給付で受け取ったものを返還する特約は有効となる、とされました。
最高裁判決昭和27年4月25日【賃貸借契約の解除と催告について】
みなさん、こんにちは!
今日は、最高裁判決昭和27年4月25日を紹介したいと思います。
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争点
「賃貸借契約の当事者の一方に、著しい不信行為があった場合の契約の解除について、催告は必要か必要ではないか」
判決
民法541条
当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。
「賃貸借は当事者相互の信頼関係を基礎とする継続的契約なので、賃貸借の継続中に当事者の一方に、その信頼関係を裏切って賃貸借関係の継続を困難にさせる不信行為があれば、相手方は民法541条の催告をしなくても賃貸借契約を解除できる」
以上より、賃貸借契約の義務に違反して信頼を裏切る行為があれば、催告をしなくても契約を解除できるとされました。
家屋明渡請求【不法占拠者と民法177条の第三者】
みなさん、こんにちは!
今日は、最高裁昭和25年12月19日判決を紹介しようと思います。
判決全文はこちら↓
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争点
不法占拠者と民法177条の「第三者」の関係について。
判決
「不法占拠者は民法177条の「第三者」には該当することはない。
なぜなら、不法占拠者は民法177条の「第三者」に該当しておらず、不法占拠者に対しては登記がなくても所有権の取得を対抗できるのが判例の立場だから」
以上より、不法占拠者は民法177条の「第三者」に該当しないとされています。
民法判例【養子縁組無効確認請求】最高裁昭和23年12月23日
みなさん、こんにちは!
今日は、養子縁組無効確認請求について見ていきたいと思います。
争点
養子縁組が無効とされる場合について、民法93条の但し書きは適用されるかが争点となります。
判決
民法93条
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
「要旨の親子関係を設定するのに十分な意思がなくて無効となることは絶対的なもので、民法93条の但し書きが適用される必要はない。
そして、それが適用されても無効になるわけではない」
以上より、養子縁組をするのに意思が不十分で無効となればそれは有効にはならないし、民法93条の心裡留保が適用されないということになりました。
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憲法判例【白タクの合憲性について】最高裁昭和38年12月4日判決
みなさん、こんにちは!
今回は、タクシーの営業に免許制を設けることが合憲かどうか判決を下した判例を見ていきます。
全文は↓
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争点
判決
憲法22条1項について
「憲法22条1項にいう職業選択の自由は無制限に認められるものではない。
⇒公共の福祉の要請があれば職業選択の自由も制限されることになっている。」
道路交通法について
「自動車運送事業の経営を自由とせずに免許制をとって、一定の免許基準の下にこれを免許することにしている。
これは、わが国の交通及び道路運送の実情に照らしてみて、同法の目的とするところに副うものと認められる。
無免許制にすることについて
自家用自動車の有償運送行為は無免許営業に発展する危険性の多いものてある。
そのため、これを放任するときは無免許営業に対する取締の実効を期し難く、免許
制度は崩れ去るおそれがある。
それ故に同法一〇一条一項が自家用自動車を有償運送の用に供することを禁止しているのもまた公共の福祉の確保のために必要な制限と解される。」
まとめ
以上より、道路交通法でタクシーに免許制を採用していることは、職業選択の自由を侵害していない。
むしろ公共の福祉の要請にかなうものであると結論が出されました。
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司法書士試験H30午前の部第1問~第23問
みなさん、こんにちは!
ここでは司法書士試験H30午前の部第1問~第23問をまとめています。
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司法書士試験H29午前の部第4問~第21問
みなさん、こんにちは!
ここでは、司法試験H29午前の部第4問~第21問の解説をまとめています。
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司法試験民法H27~30
H30
H29
H28
H27
司法試験平成29年民法短答式試験第33問【成年後見】
みなさん、こんにちは!
今日は【成年後見】を解説していきます。
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〔第33問〕(配点:2)
成年後見に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№33])
ア.精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者についても,その者の配偶者が保佐開始の審判を求める申立てをした場合には,家庭裁判所は,保佐開始の審判をすることができる。
イ.家庭裁判所が本人以外の者の請求によって,本人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をするには,本人の同意がなければならない。
ウ.家庭裁判所は,後見開始の審判をするときは,職権で,成年後見人を選任する。
エ.成年後見人と本人との利益が相反する行為については,成年後見人は,成年後見監督人がいる場合であっても,本人のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
オ.任意後見契約が登記された後に,家庭裁判所が任意後見監督人を選任した場合において,本人が任意後見人の同意を得ずに本人所有の不動産を売却する旨の売買契約を締結したときは,その売買契約は,本人が任意後見人の同意を得ずにしたことを理由に取り消すことができる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ
アについて
民法11条
精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第7条に規定する原因がある者については、この限りでない。
民法7条
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は配偶者の請求によって保佐開始の審判をすることができません(11条)。
そのため、解答は✖となります。
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イについて
民法876条の4第1項第2項
家庭裁判所は、第11条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
本人以外の者の請求で保佐人に代理権を付与する旨の審判をするには、本人の同意が必要となります。
そのため、解答は◯となります。
ウについて
民法843条1項
家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
民法843条1項より明らかなので解答は◯となります。
エについて
民法860条
第826条の規定は、後見人について準用する。ただし、後見監督人がある場合は、この限りでない。
民法826条
親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
後見監督人がいる場合には826条の準用はなく、家庭裁判所に請求する必要はありません。
そのため、解答は✖となります。
オについて
任意後見制度には取消権がないので、任意後見人は被後見人の法律行為を取り消すことができず、後見人も自身が行った行為を取り消すことができません。
そのため、解答は✖となります。以上、イ=ウ=◯・ア=エ=オ=✖なので解答は3となります。
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司法試験平成29年民法短答式試験第30問【不法行為】
みなさん、こんにちは!
今日は、民法H29の30問を解説していきます。
www.eityan-houritu.site
スポンサードリンク 〔第30問〕(配点:2) Aが運転するタクシーとBが運転するタクシーが衝突する交通事故(以下「本件事故」という。)が発生し,Aが運転するタクシーの乗客Cが負傷し,Cに300万円の損害が生じた。本件事故についての過失割合は,Aが4割で,Bが6割であり,Cに過失はなかった。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№30]) ア.CがAに対して本件事故後3年以内に損害賠償を請求する訴訟を提起すれば,CのBに対する損害賠償請求権の消滅時効も中断する。 イ.BがCに対して損害賠償債務の弁済として100万円の支払をした場合には,Bは,Aに対し,40万円を求償することができる。 ウ.Bが,Cとの間で,BがCに対して200万円を支払うとともに,CがAの損害賠償債務及びBのその余の損害賠償債務を免除する旨の和解契約を締結した場合であっても,Cは,Aに対し,100万円の支払を求めることができる。 エ.Aに使用者Dがおり,Dが本件事故について使用者責任を負う場合において,DがCに対して損害賠償債務の弁済として300万円を支払ったときは,Dは,Aに対し,信義則上相当と認められる限度において求償することができる。 オ.Bに使用者Eがおり,Eが本件事故について使用者責任を負う場合において,AがCに対して損害賠償債務の弁済として300万円を支払ったときは,Aは,Eに対し,180万円を求償することができる。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ 判例:最高裁判決昭和57年3月4日 判例によればアのような不真正連帯債務の場合は、履行の請求において民法434条の適用はないとされます。 そうすると、アの場合はCのBに対する消滅時効は中断しないことになるので、解答は✖となります。 スポンサードリンク 判例:最高裁判決昭和63年7月1日 Bの負担部分は180万円ですから、100万円の支払いをしてもAに対して40万円を求償できません。 そのため、解答は✖となります。 判例:最高裁平成10年9月10日 判例によれば、一方の債務を免除した場合に、他の者の債務も免除する意思があればその者に対して債務の免除の効力が及ぶとされます。 そうすると、CはA及びBに対して債務を免除する意思を有していることが明らかなので、Aに対して支払いを求めることはできません。 そのため、解答は✖となります。 判理:最高裁判決昭和58年7月8日 使用者が被用者に代わって弁済をしたとき、信義則上認められる範囲内で被用者に対して賠償・求償を請求することができます。 そのため、解答は◯となります。 判例:最高裁判決昭和63年7月1日 判例によれば使用者にも責任があるとされているので、過失割合を超えて損害賠償をしたときは負担部分を使用者に対して請求することができます。 そのため、解答は◯となります。以上、エ=オ=◯なので解答は5となります。 スポンサードリンク
アについて
イについて
ウについて
エについて
オについて
司法試験平成29年民法短答式試験第37問【契約の第三者に対する効力】
みなさん、こんにちは!
今日は【契約の第三者に対する効力】を解説していきます。
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〔第37問〕(配点:2)
契約の第三者に対する効力に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№37])
ア.建物建築工事請負契約において,注文者と請負人との間に,契約が中途で解除された際の出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合に,当該契約が中途で解除されたときは,その請負人が下請負人に当該工事を請け負わせ,下請負人が自ら材料を提供して出来形部分を築造したとしても,当該出来形部分の所有権は注文者に帰属する。
イ.債務者と引受人との間の契約でする併存的債務引受は,債権者が引受けによる利益を享受する意思を表示しなくても,その効力が生ずる。
ウ.委任による代理人が適法に復代理人を選任した場合において,その復代理人が委任事務を処理するに当たり金銭その他の物を受領したときは,復代理人は,本人に対して受領物を引き渡す義務を負う。
エ.受寄者が寄託された宝石を適法に第三者に保管させたときは,その第三者は寄託者に対して,保管費用の償還を請求することができる。
オ.賃借人が適法に賃借物を転貸したときは,転借人は賃貸人に対して,賃借物の修繕を請求することができる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ
アについて
判例:最高裁判決平成5年10月19日
判決ではアのように述べられているので、解答は◯となります。
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イについて
判例:最高裁判決昭和30年9月29日
判例では「 債務を伴う契約上の地位の譲渡契約は、債権者の承諾がないときは債権者に対し効力を生じない」と述べられます。
契約上の地位の譲渡契約は、債権者の承諾がなければ債権者に対して効力を生じないので、併存的債務引受の場合に意思表示がなければ効力は生じません。
そのため、解答は✖となります。
ウについて
判例:最高裁判決昭和51年4月9日
判例では「 本人代理人間で委任契約が締結され、代理人復代理人間で復委任契約が締結された場合において、復代理人が委任事務を処理するにあたり受領した物を代理人に引き渡したときは、特別の事情がない限り、復代理人の本人に対する受領物引渡義務は消滅する」と述べられます。
判例より明らかなので解答は◯となります。
エについて
民法665条
第646条から第650条まで(同条第3項を除く。)の規定は、寄託について準用する。
民法650条
受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。
受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。
委任者は受任者に対して費用償還請求権が認められていることから、受寄者に寄託された第三者も費用償還請求権が認められると考えられます。
そのため、解答は◯となります。
オについて
民法613条1項
賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。
賃借人が適法に賃借物を転貸した場合は、転借人は賃貸人に対して対抗できないので解答は✖となります。
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司法試験平成29年民法短答式試験第36問【団体等】
みなさん、こんにちは!
今日は【団体等】を解説していきます。
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〔第36問〕(配点:2)
団体等に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。(解
答欄は,[№36])
1.組合の債権者は,各組合員に対して,その権利を行使することができない。
2.組合員の債権者は,組合財産に対して,その権利を行使することができる。
3.一般社団法人の債権者は,各社員に対して,その権利を行使することができる。
4.一般社団法人の社員の債権者は,法人の財産に対して,その権利を行使することができない。
5.権利能力なき社団の債権者は,各構成員に対して,その権利を行使することができる。
1について
民法675条1項
組合の債権者は、その債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して等しい割合でその権利を行使することができる。
組合の債権者は各組合員に対して権利を行使できるのが675条より明らかなので、解答は✖となります。
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2について
判例によれば、組合員の債権者は、組合財産に対する組合員の持分を差し押さえることができないとしています。
そのため、解答は✖となります。
3について
一般社団法人法27条
社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。
社員は一般社団法人に対して経費を支払う義務を負うにとどまり、それを超えて債務を負担することはありません。
そのため、解答は✖となります。
4について
社員の債権者は社員の財産のみに権利を行使でき、法人財産には権利を行使できないと解されます。
そのため、解答は◯となります。
5について
判決:最高裁判決昭和48年10月9日
判決では「 権利能力のない社団の代表者が社団の名においてした取引上の債務は、社団の構成員全員に一個の義務として総有的に帰属し、社団の総有財産だけがその責任財産となり、構成員各自は、取引の相手方に対し個人的債務ないし責任を負わない」と述べられます。
権利能力なき社団の債権者は、社団の構成員各員ではなく全員に1個の債務として帰属するので、各構成員に対して権利を行使できません。
そのため、解答は✖となります。
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