司法試験H23公法系科目第7問【表現の自由】
みなさん、こんにちは!
今日は、司法試験公法系科目H23第7問を解説していきます。
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〔第7問〕(配点:3) 表現の自由の制約の合憲性をめぐる判断枠組みに関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№11]から[№13])
ア.広告物が貼付されている場所の性質,周囲の状況,広告物の数量や形状,貼付の仕方等を総合的に考慮し,地域の美観風致の侵害の程度と当該広告物に表れた表現の持つ価値とを比較衡量してその規制の合憲性を判断すべきである。[№11]
イ.裁判官による積極的な政治運動の禁止の目的は,裁判官の独立及び中立・公正の確保に対する国民の信頼の維持,そして司法と立法・行政とのあるべき関係を規律することであるので,その要請は,一般職の国家公務員に対する政治的行為の禁止の要請よりも強いものというべきである。[№12]
ウ.問題となっている写真集のわいせつ性については,芸術など性的刺激を緩和させる要素の存在,問題となっている各写真の写真集に占める比重,作者に対する当該分野の評論家からの評価,その表現手法等の観点から,写真集を全体としてみて判断すべきである。[№13]
出典
アについて
比較衡量するのではなく、それが公共の福祉による表現の自由に対する規制という観点から考えられています。 そのため、解答は2となります。
イについて
最高裁では「三権分立を保つ」という視点からも判決が述べられており、それは公務員よりも求められるものが大きいということができるでしょう。 そのため、解答は1となります。
ウについて
最高裁では、わいせつ性があるからと言ってすぐに判断するのではなく、その表現物の内容などを総合的に考慮すべきとしています。 そのため、解答は1となります。
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