司法試験過去問解説平成28年憲法短答式試験第12問

みなさん、こんにちは!

今日は司法試験憲法H28の第12問を解説していきます。

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〔第12問〕(配点:2)
天皇が国会開会式に出席した上で述べる「おことば」の憲法上の位置付けに関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№24])
ア.「おことば」を象徴としての地位に基づく公的行為であると捉える見解については,象徴としての地位が天皇の一身専属のものであることを前提にすると,天皇の権能を代行する摂政は「おことば」を述べることができないのではないかという問題点がある。
イ.「おことば」を国事行為である国会の召集(憲法第7条第2号)と密接に関連する行為として準国事行為と位置付ける見解については,「おことば」について内閣による「助言と承認」を通じたコントロールを及ぼす余地がなくなるという問題点がある。
ウ.「おことば」は国事行為である「儀式を行ふ」(憲法第7条第10号)に含まれるという見解については,上記「儀式を行ふ」を「儀式を主宰する」という意味に解すると,文理上無理があるという問題点がある。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×

問題『法務省:平成28年司法試験の実施について

解答『法務省:平成28年司法試験短答式試験結果

アについて

「天皇一身専属」のものとするのであれば、権能を代行しているにすぎない「摂政」は「おことば」を述べることができないと解するのが適当です。

立場が違いますから当然ですよね。

よって解答は〇となります。

イについて

「おことば」を国事行為と位置付けたとしても、その国事行為というのは天皇が権力を行使するわけではありません。

国事行為は内閣の「助言と承認」を通じて行われているため、「おことば」が国事行為となったとしても、コントロールは及ぼされることになります。

よって、解答は✖となります。

ウについて 

天皇が主催する儀式は「即位の礼」などを始めとした、皇室典範が定める国家的儀式のみとなります。

そのため、上記「儀式を行う」を「儀式を主宰する」と解してしまうと、政治的な儀式を主宰することになってしまうので、文理上無理があると解することができます。

よって、解答は〇となります。

 

以上、ア=ウ=〇・イ=×なので解答は3となります。


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