司法試験過去問解説平成28年憲法短答式試験第18問

みなさん、こんにちは!

今日は司法試験憲法H28の第18問を解説していきます。

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〔第18問〕(配点:3)
政党が党員にした処分に対する裁判所の審査権に関する次のアからウまでの各記述について,判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№34]から[№36])
ア.政党の党員が,その政党の存立や秩序維持のために,自己の権利や自由に制約を受けることがあることは当然であり,政党が組織内の自律的運営として党員に対して行った処分の当否については,原則として自律的な解決に委ねるのが相当である。[№34]
イ.政党が党員に対して行った処分が,一般市民法秩序と直接の関係を有しない政党の内部的な問題にとどまるものである場合,裁判所は,その処分を司法審査の対象とするか否かについて,処分の内容や制約される党員の権利の性質等を考慮して,個別に判断するべきである。[№35]
ウ.政党が党員に対して行った処分が,党員の一般市民としての権利利益を侵害すると認められる場合,その処分は司法審査の対象となり,裁判所は,政党の有する内部規律に関する決定権に照らしてその処分の内容が合理的か否かについて審査するべきである。[№36]

問題『法務省:平成28年司法試験の実施について

解答『法務省:平成28年司法試験短答式試験結果

政党が党員にした処分に対する裁判所の審査権を論じた判例は、共産党袴田事件になります。

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アについて

政党の内部規律に関する問題は、原則として政党内部の問題として処理してもらうのが相当であり適当なので、解答は1となります。

イについて

一般市民法秩序と直接の関係を有さない場合には、裁判所は審査することがありません。そのため、解答は2となります。

ウについて

最高裁は「右処分の当否は、当該政党の自律的に定めた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情のない限り右規範に照らし、右規範を有しないときは条理に基づき、適正な手続きに則つてされたか否かによって決すべき」としています。

つまり、内部規律の決定権に照らして判断するとは述べられていないので、解答は2となります。

 

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