司法試験過去問解説平成27年憲法短答式試験 第18問 【合憲限定解釈】
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第18問
〔第18問〕(配点:2)
合憲限定解釈に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№36])
ア.合憲限定解釈に対しては,立法者の意思を超えて法文の意味を書き換えてしまう可能性があり,立法権の簒奪につながりかねないという問題がある。
イ.合憲限定解釈に対しては,当該解釈が不明確であると,犯罪構成要件の保障的機能を失わせ,憲法第31条違反の疑いを生じさせるという問題がある。
ウ.判例は,集会の自由の規制が問題となった広島市暴走族追放条例について,条例の改正が立法技術上困難でないから,あえて合憲限定解釈をする必要はないとした。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×
アについて
合憲限定解釈の際には、法令の文言に矛盾していたり立法の目的を大きく損なうようなことは許されていません。何度も合憲限定解釈をされたら、実質的に立法権が裁判所に移ることになってしまいます。
そのため、解答は〇となります。
イについて
解釈が不明確になることで、禁止される行為とそうでない行為との見分けがつかなくなり、前もって刑罰の対象となる行為を示すことができず、憲法31条の罪刑法定主義に違反するおそれがあります。
よって、解答は〇となります。
ウについて
広島暴走族追放条例事件では「限定的に解釈すれば・・・」として合憲限定解釈がされています。
よって解答は✖となります。
以上、ア=イ=〇・ウ=×であるので解答は2となります。
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