司法試験憲法短答試験過去問解説H29第18問 【裁判所の違憲審査権】
みなさん、こんにちは!
今日は、司法試験憲法過去問第18問を解説します。
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〔第18問〕(配点:2)
裁判所の違憲審査に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№37])ア.裁判所は,処罰対象となる行為が過度に広汎であることが争われている罰則の合憲性の判断に当たり,その規制目的や当該目的達成の手段としての合理性等を審査する場合がある。
イ.合憲限定解釈は,合憲性が争われている法令について法令違憲との判決を下すことを回避する手段の一つである。
ウ.合憲的な適用であることが明らかである場合には,適用された法令に合憲的に適用できる部分と違憲的に適用される可能性のある部分とが不可分の関係で含まれていたとしても,法令違憲と判断する余地はないことになる。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×
アについて
広島暴走族追放条例事件では、規定範囲が広すぎて暴走族以外の社会集団も含まれていることが問題となりました。ただ、検討の結果最高裁は
規制目的の正当性,弊害防止手段としての合理性,この規制により得られる利益と失われる利益との均衡の観点に照らし,いまだ憲法21条1項,31条に違反するとまではいえない
『http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/114/035114_hanrei.pdf』
としており、規制目的・防止手段の観点から判断していることが分かります。よって解答は〇となります。
イについて
合憲限定解釈とは、まさに字の通りで「合憲だ」というように限定して解釈することを言います。
合憲限定解釈は、国会の法律を尊重して違憲判断を避けるために用いられます。合憲限定解釈を行った判例として、上記の広島暴走族追放条例事件が挙げられます。
ウについて