司法試験過去問解説平成28年憲法短答式試験第15問

みなさん、こんにちは!

今日は司法試験憲法H28の第15問を解説していきます。

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〔第15問〕(配点:2)
議院の自律権に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№29])
ア.議員の資格争訟の裁判について規定している憲法第55条は,議員資格に関する判断を議院の自律的な審査に委ねる趣旨のものであるが,議員の選挙に関する争訟の裁判は裁判所の権限に属するので,各議院の下した議員資格に関する判断についても裁判所で争うことができる。
イ.議院の規則制定について規定している憲法第58条第2項は,各議院が独立して議事を審議し議決する以上,当然のことを定めた規定であり,「各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する」事項について,原則として両議院の自主的なルールに委ねる趣旨である。
ウ.議員の懲罰について規定している憲法第58条第2項は,議院がその組織体としての秩序を維持し,その機能の運営を円滑ならしめるためのものであるため,議場内に限らず,議場外の行為でも懲罰の対象となるが,会議の運営と関係のない個人的行為は懲罰の対象とならない。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×

問題『法務省:平成28年司法試験の実施について

解答『法務省:平成28年司法試験短答式試験結果

アについて

選挙に関する争訟の裁判権は裁判所に属していますが、議員の資格争訟の裁判権は各議院に属するものとされています。

そのため、各議院の下した判断は尊重するべきですので、解答は✖となります。

イについて

それぞれの議院に関する事項は、それぞれの形態に合わせて自主的にルールを決めてもらった方が、審議などを行いやすくなることは明らかです。

よって、解答は〇となります。

ウについて

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憲法58条2項の趣旨は、「院内の秩序を乱した議員を懲罰する権限」を与えるものです。

つまり、院内の秩序を乱さないような院外での行為は対象とならないと解するべきですので、解答は〇となります。

以上、ア=×・イ=ウ=〇なので解答は5となります。

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