司法試験憲法短答式試験過去問解説H30第6問
みなさん、こんにちは!
今日は、司法試験憲法第六問を解説します。
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問題
〔第6問〕(配点:3)
集会の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№13]から[№15])ア.市民会館は,集会をするために必須の施設であるから,その使用について,届出制ではなく,許可制を採ることは,集会の自由を不当に制限することになる。[№13]
イ.道路については,交通の安全と円滑を図るという機能面が重視される結果,道路における集団行動の規制は,集会の自由に対する制限には当たらない。[№14]
ウ.市の管理する公園について,人の生命,身体又は財産が侵害され,公共の安全が損なわれる,明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見される場合でないのに,その使用を規制するのは,集会の自由を不当に制限することになる。[№15]
アについて
市民会館は住民が集会を行ったりするのに必要な施設であるため、それに対して不当な理由なく拒否することは、集会の自由を制限することは判例から明らかです。
その際の使用について、届け出制をとる場合には集会の自由が認められることが前提で、許可制を採る場合は原則許可で例外禁止となり、集会の自由を制限するように思えます。
ただ、許可制の場合、集会によって住民が危険にさらされるなどの事情があればその利用を拒否することができ、公共の福祉の観点から必要な規制であると言える。
そのため、答えは「2」となります。
イについて
ウについて
集会の自由に対する制限が合理的なのは、住民の生命・財産を不当に侵害する危険が具体的に予期され差し迫っている場合である。
そのため、「単に危険な事態を生ずる蓋然性がある」というだけでは足りないことは最高裁の判例からも明らかであるため、答えは「2」となります。
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