司法試験憲法短答式試験過去問解説H30第18問

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験憲法第18問を解説します。

www.eityan-houritu.site

スポンサードリンク

 

問題

〔第18問〕(配点:3)
旭川市国民健康保険条例違憲訴訟判決(最高裁判所平成18年3月1日大法廷判決,民集60巻2号587頁)に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№40]から[№42])

ア. 憲法第84条は,「あらたに租税を課し,又は現行の租税を変更するには,法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と定めているところ,同条にいう「法律」には条例も含まれるとする見解は,この判決と矛盾抵触する。[№40]

イ. この判決によれば,租税以外の公課であっても,租税に類似する性質を有するものについては,憲法第84条の趣旨が及ぶところ,その賦課徴収の強制の度合いは,当該公課と租税との類似性を検討するときの要素となる。[№41]

ウ. この判決は,法律の委任に基づき保険料の賦課要件を定めるべき条例が保険料率の決定等を市長に委任していることにつき,委任された事項の内容や保険料率に係る算定基準の定め方等を検討して,憲法第84条の趣旨に反しないものと判断した。[№42]

http://www.moj.go.jp/content/001258873.pdf』 

解説

www.eityan-houritu.site

①アについて

 

②イについて

判決では、租税以外の公課であっても租税に類似する性質があれば、憲法84条の趣旨があると解すべきとしています。

その際、租税以外の公課というのは、租税と異なる点が多々あるため、賦課徴収の目的・度合いなどを総合考慮すべきとしています。

よって、答えは「1」となります。

③ウについて

判決では、保険料率の算定基準を明確にし、見込み額・予定収納率の専門的・技術的な細目に関わる事項を市長の合理的な判断に委ね、見込み額の推計には議会による民主的統制が及ぶとしています。

そのため、保険料率を決定し保険料率を告示の方式により公示することを市長に委任しても、法81条に違反せず憲法84条の趣旨に違反しないとしました。

よって、答えは「1」となります。

 

www.eityan-houritu.site

スポンサードリンク