司法試験H21公法系科目第10問【大学の自治】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H21第10問を解説していきます。

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〔第10問〕(配点:2) 大学の自治に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№22])

ア.大学構内の施設を利用した集会であっても,実社会の政治的社会的な活動が行われている限り,その集会が一般に公開されているか否かを問わず,警察官は,警備情報の収集のため自由に集会の場に立ち入ることができる。

イ.大学構内への警察官の立入りは,大学側の許諾又は了解の下に行うことを原則とすべきであるが,裁判官の発する令状に基づいて犯罪捜査のために立ち入る場合には,大学側の許諾又は了解を得る必要がない。

ウ.大学における研究と教育は,大学が国家権力等による干渉を排し,組織体としての自律性を保障されることなしには全うすることが不可能であるから,学問の自由と不可分のものとして大学の自治も保障される。

1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ×

3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ×

5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×

7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×

出典

問題『公法系科目H21

解答『公法系科目H21

アについて

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「その集会が学生のみのものでなく、とくに一般の公衆の入場を許す場合には、むしろ公開の集会と見なされるべきであり、すくなくともこれに準じるものというべき」 出典『最高裁判決

この場合には学問の自由と自治を享有しないとされており、一般に公開されていない場合には警察官は無断で立ち入ることが禁止されると解されます。 そのため、解答は✖となります。

イについて

大学構内に立ち入る場合には大学の自治を犯さないために大学から許可を得る必要がありますが、完全に独立しているというわけではないので、令状があれば捜査を行えるといえるでしょう。 そのため、解答は◯となります。

ウについて

学問の自由(大学での研究など)は大学の自治によって保障されており、両者は不可分な関係にあると言えるので、解答は◯となります。 以上、ア=✖・イ=ウ=◯なので解答は5となります。  

 

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