司法試験憲法短答式試験過去問解説H30第9問

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験憲法第9問を解説します。

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問題

〔第9問〕(配点:3)
労働基本権に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№18]から[№21])

ア.憲法上,国は,労働基本権をむやみに制約する立法等の措置を行うことは許されず,また同時に,国は,労働者の労働基本権を保障する措置を講じる義務があり,その意味で,労働基本権には自由権としての側面と社会権としての側面があるといえる。[№18]

イ.労働基本権には,団結権,団体交渉権及び団体行動権があるが,これらのうち団結権は最も重要かつ基本的な権利であるから,団体交渉権や団体行動権について現行法上特別な制約に服している自衛官や警察官にも団結権は認められている。[№19]

ウ.判例は,労働基本権について,公務員にもその保障が及ぶとし,その制約の合憲性を判断する上で,職務の公共性は考慮されるべきではないとする一方,人事院が設けられていることなどの代替措置が整備されていることを重視して,一般私企業とは異なる制約に服するものとする。[№20]
エ.憲法第28条は,その性質上,私人間の関係に適用される余地はなく,そのため,判例は,労働組合への加入を強制するために使用者と労働組合との間に締結されるユニオン・ショップ協定の効力を団結権との関係で判断する場合にも,憲法を直接適用していない。[№21]

http://www.moj.go.jp/content/001258873.pdf

 解説

①アについて

自由権

「国家から制約も強制もされず、自由に物事を考え、自由に行動できる権利」とされます。

社会権

この権利は、「社会で生きていくうえで、人間が人間らしく生きるための権利」とされます。

自由権的側面から、労働基本権を国家に制約されては、私たちはただ従うことしかできなくなります。

社会権的側面から、労働基本権は何かを訴えたり行動を起こすために必要な権利ということができます。

基本的人権である社会権・自由権の側面を持っているため、答えは「1」となります。

 

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②イについて

イは、警察や自衛官に団結権が及ぶとしていますが、公務員であることからウのように労働基本権が認められていません。

また、『https://www.gyoukaku.go.jp/senmon/dai8/siryou4.pdf』でも、自衛隊員・警察職員に団結権が認められていなことは明らかですので、答えは「2」となります。

③ウについて

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全農林警職法事件以降は一貫して公務員に労働基本権が及ばず、それについては公務員には身分などの様々な代替措置が設けられ、職務に公共性があるということから判断がされています。

そのため、一般私企業とは異なる制約に服することは明らかです。ウは、微妙に間違っているので「2」となります。

④エについて

 

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