司法試験H26公法系科目第16問―司法権について

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H26大問16を解説していきます。

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〔第16問〕(配点:2)
司法権に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№30])
ア.下級裁判所は,最高裁判所が制定した裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する規則に拘束されるから,最高裁判所が,下級裁判所の裁判官に対して,具体的事件について,どのような判断を行うべきか指示することも許される。
イ.裁判官の職権の独立は,裁判に対して不当な影響を与えるおそれのある一切の外部的行為の排除を要求するが,一般国民やマスメディアによる裁判内容の批判は,表現の自由の行使の一場面であるから許される。
ウ.国政調査権は議院にとって重要な権能であるが,司法権の独立の観点からして,具体的事件について,その判決の事実認定や量刑が適切かどうかを調査することは,国政調査権の範囲を逸脱するものであり,許されない。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000123124.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000123390.pdf

アについて

どのような判断を行うべきか支持してしまうと、司法権の独立が損なわれる恐れがあり、裁判が公平に行われるためにも国会や内閣だけでなく他の裁判所の指示なども許されません。

そのため、解答は✖となります。

イについて

裁判官に指示を与えたりするような行為は禁止されていますが、単に批判するだけであれば影響を裁判官の判断に影響を与えるような行為とは考えられず、表現の自由の行為として認識されます。

よって、解答は〇となります。

ウについて

国政調査権は、司法権の独立を侵害することは許されず、それは例えば裁判が進行中の事件について裁判官を調査したり、その裁判の内容を批判するようなことです。

そのため、解答は〇となりますが、裁判所と異なる目的で調査を行う場合には、司法権の独立を損なうことはありません。

以上、ア=✖・イ=ウ=◯なので解答は5となります。 

 

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