司法試験H26公法系科目第9問―職業の自由

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H26大問9を解説していきます。

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〔第9問〕(配点:3)
職業の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№15]から[№17])
ア.酒類販売の免許制に関する立法事実が変化しているので,当該免許制の合憲性は厳格度を高めた基準で審査されるが,酒税法が定める免許基準は依然として合理性を有する。[№15]
イ.特定産業における経営の安定を目的とする生糸の輸入制限は,零細な他の産業に犠牲を強いることになるので,その合憲性は慎重に審査されるが,著しく不合理とはいえない。[№16]
ウ.登記制度が国民の権利義務等に重大な影響を及ぼすことなどから,原則として司法書士に登記業務の独占を認める職域規制は,公共の福祉に合致した合理的な規制である。[№17]

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000123124.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000123390.pdf

アについて

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「その必要性と合理性についての立法府の判断が政策的、技術的な裁量の範囲を逸脱し、著しく不合理なものではない限り」違反しないとしており、免許制の採用は厳格度を高めた基準で審査されていません。

そのため、解答は2となります。

イについて

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本件において「立法裁量を逸脱し著しく不合理な場合」に違憲になると判断されており、生糸の輸入制限は積極的な政策の一環としてとらえられます。

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これは上記判例と同様で、合憲性が慎重に検討されていないと言えます。そのため、解答は2となります。

ウについて

最高裁の判例では、司法書士のみに特定の業務を認めることは、憲法22条1項の職業選択の自由に違反せず、公共の福祉に合致したものであるとされています。

司法書士は一定の資格を持っていますし、その業務は登記制度という国民の利益に関係するもので、資格のない者が業務を行って国民の権利に損害をもたらさないようにしたものと思われます。

そのため、解答は1となります。

 

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