司法試験H23公法系科目第2問【特別権力関係論】
みなさん、こんにちは!
今日は、司法試験H23の第2問を解説します。
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〔第2問〕(配点:2) いわゆる特別権力関係論に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№2])
ア.特別権力関係論によれば,公権力と特別な関係にある者に対して公権力が包括的な支配権を有し,公権力は法律の根拠なく人権を制限することができ,それについて裁判所の審査は及ばない。
イ.特別権力関係が成立する場合としては,法律の規定に基づくものと本人の同意に基づくものとがある。前者の例として挙げられていたのは受刑者の在監関係と公務員の在勤関係であり,後者の例として挙げられていたのは国公立学生の在学関係であった。
ウ.特別権力関係論には,本質的な問題がある。それは,特別権力関係に属する者が一般国民としての地位に何らかの修正を受ける点で共通の特色を持つにとどまるにもかかわらず,権力服従性という形式的要素によって包括し,人権制約を一般的・観念的に許容する点である。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×
出典
アについて
特別権力関係論において、公権力は法律の根拠なく人権を制限することが可能で、その場合に裁判所の司法審査が及ぶことはありません。 そのため、解答は◯となります。
イについて
法律の規定に基づく特別権力関係論について。
本人の同意に基づく特別権力関係論について。
後者については法律の規定に基づく場合ではなく本人の同意人によるであり、これには公務員の任命も含まれるとされます。 そのため、解答は✖となります。
ウについて
特別の権力関係にとどまるというだけでその地位に修正を受け、法律を基にするのではなくその形式を基にするという点で問題があります。 そのため、解答は◯となります。 以上、ア=ウ=◯・イ=✖なので解答は3となります。
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