憲法判例【緊急逮捕の合憲性】最高裁判決昭和30年12月14日

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今日は、最高裁昭和30年12月14日判決を解説していきます。

最高裁全文はこちらになります。

争点

刑訴法210条の緊急逮捕は憲法33条に違反するか。

何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となってゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

判決

刑訴法210条について

「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足る充分な理由がある場合で、且つ急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができるとし、そしてこの場合捜査官憲は直ちに裁判官の逮捕状を求める手続を為し、若し逮捕状が発せられないときは直ちに被疑者を釈放すべきことを定めている」

「かような厳格な制約の下に、罪状の重い一定の犯罪のみについて、緊急已むを得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて逮捕状の発行を求めることを条件とし、被疑者の逮捕を認めることは、憲法三三条規定の趣旨に反するものではない」 

刑訴法210条では重大な罪を犯したと疑える理由がある・急速を要する場合には逮捕できるとしているし、逮捕状が発せられないければすぐに釈放することを定める

こうした制約がある中で、緊急の場合に限定して被疑者の逮捕を定めていることは憲法33条に違反しないとされました