司法試験憲法短答式試験H30 第16問【弾劾裁判】
みなさん、こんにちは!
今日は、司法試験憲法第16問を解説します。
司法試験憲法短答式試験過去問解説H30第15問 衆議院の優越
問題
〔第16問〕(配点:2) 弾劾裁判所に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№38]) ア.弾劾裁判所に対し裁判官の罷免を求める訴追は,国会の両議院において当該裁判官の罷免を求める議案が可決されることにより,国会が行う。 イ.国会の両議院の議員で組織される弾劾裁判所は,国会が閉会中であっても活動することができる。 ウ.弾劾裁判所により罷免の裁判の宣告を受けた裁判官は,最高裁判所に対し,その裁判を不服として取消しを求めることができる。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 『http://www.moj.go.jp/content/001258873.pdf』
解説
①アについて
訴追は国会ではなく裁判官訴追委員会が行うこととされ、国民が訴える際もこの委員会を通して行うことになります。
よって答えは「×」となります。
②イについて
憲法64条
国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。
憲法64条は弾劾裁判を規定していますが、特に国会の会期に関する事項は見られず、国会が閉会していても弾劾裁判は行えるものとしています。
裁判官の身分にふさわしくないことを理由とした訴追請求があるのに、「国会閉会中だから無理」と言われてその裁判官が職務を行うのは、普通に考えておかしいですよね。
そこで、国会閉会中でも弾劾裁判は行えるものとしていると考えられます。
よって答えは「〇」となります。
③ウについて
弾劾裁判の場合は上訴することなくその場で判決が決定しており、裁判所の司法権は及ばないことになっています。
よって、答えは「×」となります。
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