司法試験H24公法系科目第4問―【取材の自由】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H24の憲法第4問解説していきます。

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〔第4問〕(配点:2)
取材の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№6])
ア.報道のための取材の自由も憲法第21条の精神に照らし十分尊重に値するが,取材の自由といっても,何らの制約を受けないものではなく,公正な裁判の実現という憲法上の要請があるときは,ある程度の制約を受けることがあることは否定できない。
イ.報道機関が専ら報道目的で撮影したビデオテープを,裁判所の提出命令によって提出させる場合よりも裁判官が発付した令状に基づき検察事務官が差し押さえる場合の方が,取材の自由に対する制約の許否に関して,より慎重な審査を必要とする。
ウ.編集の上,既に放映されたビデオテープのマザーテープの差押えにより報道機関が受ける不利益は,このビデオテープの放映が不可能となり報道の機会が奪われるという不利益ではなく,将来の取材の自由が妨げられるおそれがあるという不利益にとどまる。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000098332.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000098848.pdf

アについて

取材の自由も公共の福祉による制限を受けることがあり、迅速な裁判の実現という憲法上の要請があれば、取材の自由よりもそちらの方が優先されることになります。そのため、解答は◯となります。

イについて

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日本テレビ事件が判例になりますがそうしたことは述べられていません。そのため、解答は✖となります。

ウについて

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放映されているのであればそれを放映しないことによる不利益はありませんが、それを差し押さえられることにより将来的に不利益を被るおそれがあるにとどまります。そのため、解答は◯となります。

以上、ア=ウ=◯・イ=✖であるため解答は3となります。

 

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