司法試験過去問解説平成27年憲法短答式試験 第4問 【報道の自由】

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第4問

〔第4問〕(配点:3)
報道の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№6]から[№8])
ア.法廷内における被告人の容ぼう等につき,手錠,腰縄により身体の拘束を受けている状態が描かれたイラスト画を被告人の承諾なく公表する行為は,被告人を侮辱し,名誉感情を侵害するものというべきで,その人格的利益を侵害する。[№6]
イ.報道機関の取材源は,一般に,それがみだりに開示されると将来にわたる自由で円滑な取材活動が妨げられることになるため,民事訴訟法上,取材源の秘密については職業の秘密に当たるので,当該事案における利害の個別的な比較衡量を行うまでもなく証言拒絶が認められる。[№7]
ウ.少年法第61条が禁止する推知報道に該当するか否かは,少年と面識のある特定多数の者あるいは少年の生活基盤としてきた地域社会の不特定多数の者が,少年を当該事件の本人であると推知することができるかを基準にして判断すべきである。[№8]

問題の出典はこちらになります。

解答の出典はこちらになります。

アについて

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上記の判例にあるように、身振り手振りで話しているイラストを公表することについては不法行為は認められませんが、手錠・腰縄で拘束されているイラストを公表したことは不法行為上違法となりました。

よって、解答は1となります。

イについて

判例は米健康食品会社脱税報道事件になります。

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民事訴訟法においては取材源の秘密は職業の秘密と解されていますが、比較考量を行ってから証言拒絶を認めるとされています。

よって解答は2となります。

ウについて

判例は長良川事件報道訴訟になります。

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この判例では推知報道に該当するかを判断する基準が示されました。

最高裁は「不特定多数の一般人がその者を当該事件の本人であると推知することできるかどうかを基準にして判断すべき」としているため、解答は✖となります。

 

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