司法試験H25公法系科目第1問―〔外国人の人権に関する問題〕

みなさん、こんにちは!

今日は司法試験公法系科目H25の第一問を解説していきます。

スポンサードリンク

 

〔第1問〕(配点:3)
外国人の人権に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№1]から[№3])
ア.外国人の政治活動の自由は,我が国の政治的意思決定に影響を及ぼす活動であっても,憲法上保障される。[№1]
イ.我が国に在留する外国人には,居住する地方公共団体の長及びその議会の議員に対する選挙権が憲法上保障されていない。[№2]
ウ.社会保障の施策において外国人をどのように処遇するかについては,憲法上立法府の裁量に委ねられている。[№3]

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000111054.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000111535.pdf

アについて

www.eityan-houritu.site

最高裁では「政治活動の自由に関する憲法の保障は、わが国の政治的思想意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、本国に在留する外国人に対しても及ぶ」としています。

つまり、日本の政治的意思決定などに影響を及ぼすものは認められていません。よって、解答は2となります。

イについて

www.eityan-houritu.site

判例では選挙権が「日本国民たる住民」に限定されるとしているので、解答は1となります。

ウについて

www.eityan-houritu.site

永住外国人保護訴訟では外国人に生活保護が認められないとされています。上記では述べられていませんが、日本国民であっても社会保障を受けることができるかどうかは、立法府の裁量次第であることが堀木訴訟から明らかです。

www.eityan-houritu.site

そうすると外国人についても同様であると考えられるため、解答は1となります。

 

www.eityan-houritu.site

スポンサードリンク