司法試験H25公法系科目第18問―〔司法権〕

みなさん、こんにちは!

今日は司法試験公法系科目H25の第18問を解説していきます。

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〔第18問〕(配点:3)

司法権に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№34]から[№36])

ア.裁判官の罷免に関し弾劾裁判所の裁判の結果に不服がある場合に,最高裁判所に訴えることができるとする法律を制定することは憲法に違反しない。[№34]

イ.行政機関の認定した事実はこれを立証する実質的証拠があるときには裁判所を拘束すると定めた法律は,その実質的証拠の有無は裁判所が判断するとの規定があっても憲法に違反する。
[№35]

ウ.特定の種類の事件だけを扱う裁判所を設置しても,その裁判所の裁判の結果に不服がある場合に,最高裁判所に上訴できるのであれば憲法に違反しない。[№36]

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000111054.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000111535.pdf

アについて

弾劾裁判所とは「裁判所に対する国会のチェック」という三権分立を保つ上で重要な役割を果たしています。しかし、その弾劾裁判の結果を裁判所が審査できるようにすると、この三権分立が保たれなくなって憲法に違反する可能性があります。

そのため、解答は2となります。

イについて

電波法99条では「電波監理審議会が適法に認定した事実は、これを立証する実質的な証拠があるときは、裁判所を拘束する」としていますが、裁判所を拘束するのは「実質的な証拠があるとき」という制約がされています。

さらに99条2項では「実質的な証拠の有無は、裁判所が判断するものとする。」とされているように、制約する「実質的な証拠」があるかないかは、裁判所の判断にゆだねられています。

こうしたことから裁判所を法律で拘束するものではなく憲法に違反していないと言えるので、解答は2となります。

ウについて

家庭裁判所は特定の事件だけを扱うという性質を持っているため、特別裁判所ということになりますが、最高裁判所とは独立せずその下に属しているため、憲法に違反しないことになります。

そのため、解答は1となります。

 

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