司法試験民法短答式試験過去問H30第5問―【追認】
みなさん、こんにちは!
今日は、民法過去問H30の第5問を解説していきます。
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〔第5問〕(配点:2)
追認に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№5])
ア.無権代理行為について本人が追認を拒絶した後は,本人であっても追認によってその行為を有効とすることができない。
イ.事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成して提出した場合において,当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在し,かつ,後に他方が届出の事実を知ってこれを追認したときは,その婚姻は追認時から将来に向かって効力を生ずる。
ウ.代理権を有しない者がした契約を本人が相手方に対して追認した場合であっても,契約の時においてその者が代理権を有しないことを相手方が知らなかったときは,相手方は契約を取り消すことができる。
エ.親権者の代理行為が利益相反行為に当たる場合,本人は,成年に達すれば,追認することができる。
オ.養子縁組が法定代理人でない者の代諾によるために無効である場合であっても,養子本人は,縁組の承諾をすることができる満15歳に達すれば,追認することができる。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ出典
アについて
追認拒絶をすることで効果が帰属しないことが確定するので、追認拒絶後に本人は追認することができません。
そのため、解答は〇となります。
イについて
最高裁昭和47年7月25日判決では、他方の意思に基づかない婚姻届けでも、夫婦としての実質的生活関係が存在しており、追認した際には婚姻は届出の当初に遡って有効になるとしています。
よって、解答は✖となります。
ウについて
エについて
「利益相反行為に該当する行為を親権者が行った場合は無権代理となり、子供が成年に達して追認しない限りは本人に効果は帰属しない」とされています。
よって、解答は〇となります。
オについて
こどもが15歳未満の場合は代諾者が未成年者に代わって承諾することになります。ただ15歳になると代諾者の承諾が「必ずしも必要」でないとされています。
よって解答は〇となります。
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