司法試験民法短答式試験過去問H30第35問―【遺言の方式】
みなさん、こんにちは!
今日は、民法過去問H30の第35問を解説していきます。
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〔第35問〕(配点:2)
遺言の方式に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№35])
ア.自筆証書遺言における押印を指印によってすることはできない。
イ.秘密証書遺言をするには,遺言者が証書の本文及び氏名を自書し,押印をしなければならない。
ウ.公正証書遺言において,遺言者が署名することができない場合には,公証人がその事由を付記して,署名に代えることができる。
エ.自筆証書遺言の加除その他の変更は,遺言者が,その場所を指示し,これを変更した旨を付記して特にこれに署名し,かつ,その変更の場所に押印をしなければ,その効力を生じない。
オ.成年被後見人が事理弁識能力を一時回復した時において遺言をするには,医師二人以上の立会いがなければならない。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ出典
アについて
最高裁平成元年2月16日判決では、自筆証書遺言における押印は指印をもって足りるとされています。
そのため、解答は✖となります。
イについて
上記サイトの作成手順では、秘密証書遺言は自筆の署名と押印さえなされていればよく、他の内容は手書き・パソコン・代筆でも構わないとされています。
よって、解答は✖となります。
ウについて
遺言者が署名することができない場合には、公証人がその事由を付記して署名に変えることができます(民法969条)。
よって解答は〇となります。
エについて
自筆証書遺言の加除またはその他の変更を行った際には、変更した箇所への押印と付記した箇所への遺言者本人の署名が必要となります。
よって、解答は〇となります。
オについて
成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復して遺言をする場合は、医師2人以上の立ち合いが必要となります(民法973条)。
よって、解答は〇となります。
以上、ア=イ=×・ウ=エ=オ=×なので解答は1となります。
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