司法試験民法短答式試験過去問解説H28第1問【未成年者】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H28民法第1問を解説していきます。

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〔第1問〕(配点:2)
未成年者に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,本問では,婚姻による成年擬制を考慮する必要はない。(解答欄は,[№1])

ア.未成年者は,養親となることができない。

イ.15歳に達した未成年者は,遺言の証人となることができる。

ウ.一種又は数種の営業を許された未成年者は,その営業に関しては,成年者と同一の行為能力を有する。

エ.未成年者は,法定代理人の同意を得ずにした法律行為を単独で取り消すことができる。

オ.未成年者は,代理人となることができない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/001182604.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/001184007.pdf

アについて

成年に達した者は養子をすることができる(憲法792条)とされていて、養親となる者は未成年であってはいけません。そのため、解答は◯となりますが、婚姻で成年擬制を受けた者は養子縁組が認められています。

イについて

民法974条では遺言の証人になることができない者として未成年者が挙げられています。そのため、解答は✖となります。

ウについて

民法6条において、一種又は数種の営業を許可された未成年者は、その営業に関して成年者と同一の行為能力を有するとされています。そのため、解答は◯となります。

エについて

民法120条1項で、行為能力者の制限を理由として取り消すことができる者の中に「制限行為能力者」本人も含まれています。そのため、解答は◯となります。

オについて

民法102条において、代理人は行為能力者であることを要しないとされています。行為の効果が帰属するのは本人ですので、このような規定が設けられています。そのため、解答は✖となります。

以上、ア=ウ=エ=◯・イ=オ=✖ですので解答は4となります。

 

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