【牧会活動事件】信教の自由 神戸簡易裁判所昭和50年2月20日
みなさん、こんにちは!
今日は、牧会活動事件を解説していきます。
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事件
建造物侵入罪の嫌疑を受けた高校生2人を教会が一週間預かり、その後2人は警察に出頭しました。
しかし、牧会のXは犯人蔵匿罪に問われました。
争点
牧会活動が信教の自由による保障を受けているか。
判決
牧師の活動について
牧会活動とは「魂への配慮」等を通じて社会に奉仕する活動のことです。
牧会活動は牧師の活動として公認されていて、個人の魂への配慮を通じた社会奉仕が目的であり、公共の福祉に沿うものです。
「その行為が具体的諸事情に照らし、目的において正当な範囲にとどまり、手段方法において相当であるかぎり、正当な業務行為として違法性を阻却すると解すべき」としました。
信教の自由の保障に関して
「牧会活動は、形式的には宗教職にある牧師の職の内容をなすもので、実質的には憲法20条の信教の自由のうち、礼拝の自由にいう礼拝の一内容をなすもの」とします。
そのため「宗教行為としてその自由は日本国憲法の右条項によって保障され、全ての国政において最大に尊重されなければならない」としました。
また、外面的行為である牧会活動が公共の福祉による制限を受けることは当然としても、「その制約が、結果的に行為の実体である内面的信仰の自由を事実上侵すおそれが多分にある」ため「その制約をする場合は最大限に慎重な配慮を必要とする」としました。
結論
最高裁はこうしたことを踏まえて、本権の牧会活動は牧師の活動で高校生2人が出頭にいったことなどを踏まえて、「全体といて法秩序の理念に反するところがなく、正当な業務行為として罪とならないもの」と結論付けました。
以上見てきたように、牧会の活動は信教の自由によって保障されるものであり、犯人蔵匿罪には問われないという判例となります。
宗教的行為についての判例はこちらもご覧ください。
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