司法試験過去問解説平成27年憲法短答式試験 第3問【信教の自由】

www.eityan-houritu.site

スポンサードリンク

 

第3問

〔第3問〕(配点:2)
信教の自由に関する次のアからエまでの各記述について,誤っているもの二つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。(解答欄は,[№5])
ア.信教の自由には内心における信仰の自由が含まれるが,信仰の自由は,内心にとどまるものである限り,制約が一切許されない。
イ.宗教とは無関係な行政上の要請により,宗教を信じているか,いずれの宗教団体に属しているかなど,個人の信仰に関する申告をさせることも,内心における信仰の自由の侵害となる。
ウ.宗教的行為の自由は,憲法第20条第1項前段ではなく,「宗教上の行為」等に「参加することを強制されない」と規定する同条第2項により保障される。
エ.特定の宗教の宣伝や共同で宗教的行為を行うことを目的とする団体を結成する自由は,信教の自由ではなく,憲法第21条第1項の結社の自由として保障される。
1.アとイ 2.アとウ 3.アとエ 4.イとウ 5.イとエ 6.ウとエ

問題の出典はこちらになります。

解答の出典はこちらになります。

アについて

信教の自由が制約を受けることは当然ですが、その思想が内心にとどまっている限りは制約されません。よって、解答は〇となります。

イについて

www.eityan-houritu.site

三菱樹脂訴訟では、採否に当たり雇用者の思想・信条を申告させることは違法ではないとされました。

しかし、イの問題にあるように、宗教と関連のない行政上の要請の場合は違法になると考えられます。

よって解答は〇となります。

ウについて

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

出典『信教の自由 - Wikipedia

憲法20条2項は「宗教上の行為への参加を強制されないこと」を言っているのであり、自発的に行うような「宗教上の行為」を保証しているわけではありません。

よって解答は✖となります。

エについて

特定の宗教・宗教的行為を行う団体を結成しようとしていますから、信教に基づいた活動を行っていることが明らかで、憲法21条の表現の自由により保障されないことが明らかです。

よって、解答は✖となります。

以上、ア=イ=〇・ウ=エ=×ですので、解答は6となります。

www.eityan-houritu.site

スポンサードリンク