司法試験過去問解説平成28年憲法短答式試験第9問

みなさん、こんにちは!

今日は司法試験憲法H28の第9問を解説していきます。

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〔第9問〕(配点:3)
労働基本権に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№17]から[№19])
ア.公務員の争議行為の制限は国民生活全体の利益を維持増進する必要との調和の見地から合理性の認められる必要最小限度のものでなければならず,職務の性質や違いを考慮することなく公務員の争議行為を一律に禁止することは憲法上許されないとするのが判例の立場である。[№17]
イ.憲法により団結権が保障されている労働組合においては,組合の目的の範囲内にある活動であれば,その全ての活動について組合員に対して統制権を行使し得るから,労働組合が統制権に基づいて組合員を除名した処分には司法審査が及ばない。[№18]
ウ.憲法第28条が保障する労働基本権は,使用者との関係において労働者の権利を保護することを目的の一つとするので,私人相互の関係でも意味を持ち,契約自由の原則は制限されることになる。[№19]

問題『法務省:平成28年司法試験の実施について

解答『法務省:平成28年司法試験短答式試験結果

アについて

判例は全農林警職法事件となります。

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全農林警職法事件では公務員の争議権が制限されることが明らかですので、解答は2となります。

 

 

イについて

判例は三井美唄炭坑労組事件となります。

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最高裁は、党政権は一定の範囲内で行使が許されるが、それを超えて人権である立候補の自由を制限することは許されないとしました。

よって、解答は2となります。

ウについて

契約自由にすることで労働者に配慮されない契約が結ばれてしまうことも考えられます。そのため、労働基本権が労働者保護を目的とすることで、契約自由に制限が設けられることになるため、解答は1となります。

 

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