司法試験H23公法系科目第12問【憲法31条】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H23第12問を解説していきます。  

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〔第12問〕(配点:3) 憲法第31条に関する次のアからウまでの各記述について,aの見解からbの見解が導き出せる場合には1を,導き出せない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№22]から[№24])

ア.

a.憲法第31条は,文字どおり,刑罰を科する場合には,法律で定める手続によらなければならないという要求のみを規定したものである。

b.条例は地方公共団体が制定する自主立法であるから,刑罰を科する場合の手続を条例で定めることも許される。[№22]

イ.

a.憲法第31条は,刑罰を科する場合の手続が法律で定められなければならないということと,手続が適正なものでなければならないということを規定したものである。

b.憲法第31条は,罪刑法定主義を定めた規定ではなく,その根拠は憲法の別の条文に求めなければならない。[№23]

ウ.

a.憲法第31条は,刑罰を科する場合の手続の法定とその適正のみならず,実体の法定とその適正をも要求する規定である。

b.処罰の必要性及び合理性,罪刑の均衡を要求する根拠は,憲法第31条に求められる。[№24]

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000073969.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000074976.pdf

アについて

「刑罰は法律で定める手続きによる」の部分と「刑罰を科する場合の手続きを条例で定めることができる」の部分が誤っている。 そのため、解答は2となります。

イについて

憲法31条が刑罰を科す際の「手続き」とその「手続き」が適正である必要性を定めているとする見解に立つとします。

そうすると、「手続き」に関することしか述べられていないので、「罪刑法定」主義は別の条文に根拠を置く必要があります。 そのため、解答は1となります。

ウについて

実体法(実態の法定)によることである犯罪の刑罰を定めることができますから、罪刑の均衡につながります。

また、刑罰を科す際の手続きを法で定めてそれを適正にすることは、その処罰を具体化して必要性を見出すことになり、適正にすることで合理性も見出すことができるでしょう。

以上より、a と b の見解はなんら相違することがなく、b は a の見解を簡単に表したものだと言えるので解答は1となります。

 

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