司法試験民法短答式試験過去問解説H28第16問【根抵当権】
みなさん、こんにちは!
今日は、司法試験H28民法第16問を解説していきます。
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〔第16問〕(配点:2)
根抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№16])ア.根抵当権者は,元本確定前の根抵当権の全部又は一部を譲渡することができるが,その場合,根抵当権設定者の承諾を得る必要はない。
イ.元本確定前において,根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をするときは,後順位抵当権者の承諾を得なければならない。
ウ.根抵当権の債務者の変更は,元本確定前に登記をしなかったときは,その変更をしなかったものとみなされる。
エ.根抵当権の設定時に元本確定期日を定めなかった場合,当該根抵当権の設定は無効である。
オ.元本の確定した根抵当権は,確定した元本のほか,その利息についても,極度額を限度として担保する。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ
出典
アについて
民法398条の12では「元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる」とされており、元本確定前は根抵当権者の承諾を得る必要があります。
そのため、解答は✖となります。
イについて
民法398条の4の1項・2項では、元本確定前の根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更・債務者の変更には、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを必要としないと規定されています。
そのため、解答は✖となります。
ウについて
民法398条の4の1項・2項では、担保すべき債権の範囲の変更・債権者の変更について、元本の変更前に登記をしなかった場合には「その変更がされなかった」とみなされるとしています。
そのため、解答は◯となります。
エについて
元本の確定期日がない場合でも、根抵当権の設定から3年経過した時には担保すべき元本の確定を請求することができるため、解答は✖となります。
オについて
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