司法書士試験H27午前の部第14問【根抵当権】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法書士H27午前の部第14問を解説していきます。

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第14問 AとB会社は、平成23年4月1日、AがB会社の石油販売特約店となることに伴い、A所有の甲土地に、B会社のために、Aを債務者とし、極度額を500万円とする根抵当権(以下「本件根抵当権」という。)を設定し、担保すべき債権の範囲を石油供給取引によって生ずる債権と定め、その旨の登記手続きをした。 その後、AがB会社から電気製品の買入れを行うようになったことから、平成25年4月1日、AとB会社は、本件根抵当権の被担保債権の範囲に、電気製品売買取引によって生ずる債権を加えることを合意し、その旨の登記手続きをした。 なお、本権抵当権の担保すべき元本の確定期日は定められていない。 この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア 平成25年5月15日を弁済期とするAとB会社との間の電気製品売買取引により生じた債権について、その弁済期を経過してAが債務不履行に陥った場合であっても、その債権が同年3月15日に発生したものであるときは、その債権は本件根抵当権によって担保されない。

イ 平成25年10月1日にB会社がC会社に吸収合併された場合、当該合併の事実を同年11月15日にAが知った時は、その後にAは、当該合併を理由として本件根抵当権の担保すべき元本の確定を請求することができない。

ウ Aは、平成26年4月1日を経過した後であれば、本件根抵当権の担保すべき元本の確定を請求することができる。

エ B会社が本件根抵当権についてDのために転抵当権を設定した場合、Aは、本件根抵当権の担保すべき元本の確定前であれば、Dの承諾がなくても、B会社との合意によって極度額の減額をすることができる。

オ 本件根抵当権の担保すべき元本が確定した後にAがEに甲土地を売り渡した場合において、当該元本の確定時点におけるAのB会社に対する残債務額が600万円であったときは、EがB会社に対して本件根抵当権の消滅を請求するためには、600万円の払渡し又は供託をしなければならない。

1アウ 2アオ 3イウ 4イエ 5エオ

出典

問題『司法書士試験H27問題

解答『司法書士試験H27解答

アについて

民法398条の4第1項
元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。

元本確定前であれば根抵当権で担保すべき債権の範囲を変更できるので、同年3月15日発生した債権を根抵当権で担保することができます。 そのため、解答は✖となります。 

 

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イについて

民法398条の9第5項
第3項の規定による請求は、根抵当権設定者が合併のあったことを知った日から二週間を経過したときは、することができない。合併の日から一箇月を経過したときも、同様とする。

合併があったこを知ってから2週間経過すると、担保すべき元本の請求を行うことができないので解答は◯となります。

ウについて

民法398条の19第1項
根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。

根抵当権を設定してから3年を経過すれば、担保すべき元本の請求を行えるので解答は◯となります。

エについて

民法398条の5
根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。

根抵当権の極度額の変更は利害関係を有する者の承諾が必要になり、エであればDが承諾する必要があるため解答は✖となります。

オについて

民法398条の22第1項
元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。この場合において、その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。

残っている債務の額が根抵当権の極度額を超えている場合は、極度額に相当する金額を払い渡すか供託することで根抵当権の消滅請求を行えます。

そうすると、600万円ではなく500万円だと考えられるので解答は✖となります。以上、イ=ウ=◯なので解答は3となります。  

 

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