司法試験民法短答式試験H28第27問【民法上の組合】
みなさん、こんにちは!
今日は、司法試験H28民法第27問を解説していきます。
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〔第27問〕(配点:2) 民法上の組合に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№27])
ア.組合の債権者は,債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは,個々の組合員に対して等しい割合で権利を行使することができる。
イ.組合の債務者は,その債務と組合員に対する債権とを相殺することができる。
ウ.組合は,不動産について組合名義の所有権移転登記を備えることはできない。
エ.除名された組合員は,持分の払戻しを受けることができない。
オ.組合は,その目的である事業の成功によって解散する。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ
出典
アについて
民法675条組合の債権者は、その債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して等しい割合でその権利を行使することができる。
組合員個人の責任は分割・無限、第一次的な責任であり、組合の債権者は組合員の個人財産に対して責任を追及することができ、これは組合契約で定められた割合また出資額の割合ですが、第三者に開示されていません。
そのため、組合の債権者が損失分担の割合を知らなければ、各組合員に等しい割合で権利を行使できるとすることを定めていますので、解答は◯となります。
イについて
民法677条組合の債務者は、その債務と組合員に対する債権とを相殺することができない。
組合の財産と個人の財産は異なるものであるため、組合債務者はその債務と組合員に対する債務とを相殺できませんので、解答は✖となります。
ウについて
組合の共有に属する不動産については、組合それ自体が権利主体となることはできません。 組合員全員の共有か組合の代表者の名義となるため、解答は◯となります。
エについて
民法681条2項脱退した組合員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。
除名の場合は680条で「正当な理由のある限り、他の組合員の一致によってすることができる」とされています。 除名されて組合から脱退した場合には、出資の種類を問わず持ち分を金銭で払い戻すことができるので、解答は✖となります。
オについて
民法682条組合は、その目的である事業の成功又はその成功の不能によって解散する
事業の成功・不能で解散することになっているので、解答は◯となります。以上、イ=エ=✖なので解答は3となります。
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