司法書士試験H27午前の部第13問【質権】
みなさん、こんにちは!
今日は、司法書士H27午前の部第13問を解説していきます
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第13問 質権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものは、幾つあるか。
ア 動産質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保し、設定行為においてこれと異なる別段の定めをすることはできない。
イ 不動産質権は、その設定の登記をしなくてもその効力を生ずる。
ウ 質権の目的である債権が保証債務によって担保されている場合、質権の効力は、その保証債権に及ぶ。
エ 質権の目的である債権が金銭債権であり、その債権及び被担保債権がいずれも弁済期にある場合、質権者は、被担保債権の額にかかわらず、質権の目的である債権の全額を取り立てることができる。
オ 質権の目的である指名債権の債務者が、質権設定につき異議をとどめないで承諾した場合であっても、当該債務者は、当該指名債権の債務者に対抗することができた事由をもって質権者に対抗することができる。
11個 22個 33個 44個 55個
出典
問題『司法書士試験H27問題』
解答『司法書士試験H27解答』
アについて
民法346条質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
質権は生じた損害の賠償を担保しますが、設定行為に別段の定めをした場合にはそれに従うことになり、別段の定めをすることは可能なので解答は✖となります。
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イについて
民法344条質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。
質権の設定は物を引き渡すことで効力を生じるので、不動産の場合には登記の必要はなく、解答は◯となります。
ウについて
権利質については特に規定がないので、質権の効力も保証債権まで及ぶと考えられます。そのため、解答は◯となります。
エについて
民法366条2項債権の目的物が金銭であるときは、質権者は、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができる。
質権の目的物が金銭債権であれば、「自己の債権額に対応する限り」取り立てることができるので、解答は✖となります。
オについて
民法364条指名債権を質権の目的としたときは、第467条の規定に従い、第三債務者に質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。
異議をとどめない承諾をしていることから、債務者に対抗できた事由があっても質権者に対抗することはできないため解答は✖となります。
以上、イ=ウ=◯なので解答は2となります。
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