司法書士試験H27午前の部第4問【未成年者】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法書士H27午前の部第4問を解説していきます。

 

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第4問 未成年者に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組み合わせは、後期1から5までのうち、どれか。

ア 未成年者が法定代理人の同意を得ないでした法律行為を自ら取り消した場合には、その未成年者は、その取消しの意思表示をすることについて法定代理人の同意を得ていないことを理由に、その取消の意思表示を取り消すことはできない。

イ 養子である未成年者が実親の同意を得て法律行為をしたときは、その未成年者の養親は、その法律行為を取り消すことはできない。

ウ 未成年者と契約をした相手方が、その契約締結の当時、その未成年者を成年者であると信じ、かつ、そのように信じたことについて過失がなかった場合には、その未成年者は、その契約を取り消すことはできない。

エ 未成年者が婚姻をしたときは、その未成年者は、婚姻後にした法律行為を未成年であることを理由として取り消すことはできない。

オ 未成年者が法定代理人の同意を得ないで贈与を受けた場合において、その贈与契約が負担付のものでないときは、その未成年者は、その贈与契約を取り消すことはできない。

1アエ 2アオ 3イウ 4イオ 5ウエ 出典

問題『司法書士試験H27問題』 解答『司法書士試験H27解答

アについて

民法120条1項 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。

行為能力の制限で取り消すことができる行為は、制限行為能力者も取り消すことができるように法定代理人の同意がなくても可能です。

さらにその意思表示を取り消せるとなると、法律関係がややこしくなるため行為能力を理由として取消の意思表示を取り消すことはできません。 そのため、解答は◯となります。

 

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イについて

民法5条1項
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要となりますが、養子の場合は実親の同意を得てもその養親は未成年者の行為を取り消すことができます。

実親の同意は「法定代理人の同意」に該当しないので、解答は✖となります。

ウについて

民法21条
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。

自身が制限行為能力者であるのに行為能力者であることを信じさせるために詐術を用いれば、契約を取り消すことはできませんが、ウはそうではありません。

詐術行為はされておらず、仮に相手方に過失がなかったとしても契約を取り消すことができるので、解答は✖となります。

エについて

民法753条
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

未成年者が婚姻をすれば成年とみなされるため、婚姻後に未成年者を理由として契約を取り消すことはできなくなります。 そのため、解答は◯となります。

オについて

民法5条
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

未成年者が贈与を受ける行為は「単に権利を得」という行為に該当し、契約を取り消すことはできないため解答は◯となります。

以上、イ=ウ=✖・ア=エ=オ=◯なので解答は3となります。

 

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