司法試験H25公法系科目第16問―〔国会の運営・活動の原則と例外〕

みなさん、こんにちは!

今日は司法試験公法系科目H25の第16問を解説していきます。

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〔第16問〕(配点:3)
国会の運営・活動の原則と例外に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№30]から[№32])
ア.両議院の会議は公開が原則であり,本会議については傍聴が認められているほか,その記録は公表され,かつ一般に頒布されなければならない。ただし,出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは秘密会を開くことができる。[№30]
イ.両議院は,それぞれ独立して活動し,独立して意思決定を行うのが原則である。ただし,両議院の議決が異なった場合に必要的又は任意的に開かれる両院協議会は,各議院において選挙された委員によって構成される。[№31]
ウ.衆議院が解散されると参議院は同時に閉会となり,国会は機能を停止するのが原則であるが,その例外が参議院の緊急集会である。ただし,そこで採られた措置は,次の国会開会の後10日以内に衆議院の同意が得られない場合,遡って効力を失う。[№32]

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/000111054.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/000111535.pdf

アについて

憲法57条では、両議院の会議は公開が原則であって記録を保存し一般に頒布することが求められています。しかし、1項但し書きにあるように出席議員の3分の2以上の多数で議決した場合には秘密会を開くことも認められます。

そのため、解答は1となります。

イについて

両院は独立して活動を行いますが、議決が異なる場合に必要または任意的に開催される両院協議会は以下のようになっています。

両院協議会は、衆議院と参議院から選ばれた10名ずつの協議委員で組織され、各議院の協議委員の3分の2以上の出席のもと開かれます。

出典『キッズページ:参議院

そのため解答は1となります。

ウについて

緊急集会に関しては以下のように述べられています。

衆議院の同意が得られなかった場合、または議決しないまま10日間を経過した場合、緊急集会において採られた措置は効力を失うことになります。ただし、効力を失うのは将来に向かってであり、遡及的に無効となるわけではないと解されています。

出典『キッズページ:参議院

ここで述べられるように緊急集会において採られた措置は衆議院の同意がなければ効力を失うことになりますが、それは遡及的に無効とはならず「将来に向かって」無効となるとされています。

そのため、解答は2となります。

 

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