司法試験過去問解説平成27年憲法短答式試験 第16問 【選挙】

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第16問

〔第16問〕(配点:3)
選挙に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№32]から[№34])
ア.衆議院議員選挙における1人別枠方式については,人口の少ない県に居住する国民の意思をも十分に国政に反映させるという目的は合理的であるが,その結果生じる投票価値の較差が過大であるから違憲である。[№32]
イ.国民の選挙権を制限するためには,そのような制限をすることがやむを得ないと認められる事由がなければならないが,選挙権の保障には投票をする機会の保障は含まれないため,投票機会の確保のための措置を採るか採らないかについては広汎な立法裁量が認められる。[№33]
ウ.衆議院議員選挙では,小選挙区の候補者のほか,所属する候補者届出政党にも選挙運動が認められており,無所属の候補者は政見放送ができないなど非常に不利であるが,他に十分な手段があるため,政策・政党本位の選挙制度の実現のための立法裁量の範囲を逸脱していない。[№34]

問題の出典はこちらになります。

解答の出典はこちらになります。

アについて

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選挙区割りは投票価値の平等に反する状態に至っているが、平成19年の判決時に平成17年の選挙区割りは投票価値の平等に反するに至っていないとされました。

そうすると、区割り規定が憲法上要請される合理的期間内における是正がなされなかったとはいえず、憲法14条1条等の憲法の規定に反するとは言えないとしました。

よって、解答は2となります。

イについて

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選挙権を制限する際には、選挙権を制限しない場合に「「選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難であると認められない事由でない限り、上記やむをえないと認められる事由であるとはいえ」ないとしています。

ここから一般的に投票の機会の保障はされる必要があると考えられますから、解答は2となります。

ウについて

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候補者届出政党に属しない者には差異が生じることとなるが、政見放送以外にも政見等を訴える手段はあります。

そうした観点から政見放送を候補者届出政党に属するのみに認めた点は、憲法14条1項に違反しないとしました。

 

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