司法試験過去問解説平成27年憲法短答式試験 第15問 【国政調査権】
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第15問
〔第15問〕(配点:2)
国政調査権の行使に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№31])
ア.国政調査権は,各議院を構成する個々の国会議員についても認められている権能であるので,個々の国会議員も行使することができる。
イ.内閣は,各議院から国政調査権に基づき報告又は記録の提出を求められた場合には,国家の重大な利益に悪影響を及ぼすときであっても拒むことができない。
ウ.各議院は,国政調査権の行使として,公務員のみならず私人に対しても,証人として出頭して証言することを求めることができる。
1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ×問題の出典はこちらになります。
解答の出典はこちらになります。
アについて
国政調査権は各議員ではなく「各議院」が行使するものです。調査のために議院を派遣する場合もありますが、行使はできません。
そのため、解答は✖となります。
イについて
国政調査権は三権分立の限界として、司法府・行政府の自律権・独立権を侵害するような調査を行うことはできません。さらに、国民の権利を侵害するようなも調査もできません。
よって解答は✖となります。
ウについて
私人に対しても出頭して証言を求めることができますが、「私人」という観点から刑事訴訟手続において慎重性が求められることがあります。
憲法の論証 - 【国政調査権の限界:人権尊重原則】特に刑事訴訟手続の関係
そのため、解答は〇となります。
以上、ア=イ=×・ウ=〇ですので解答は7となります。
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