憲法判例【三井倉庫港運事件】と労働基本権との関係性

みなさん、こんにちは!

今日は、三井倉庫港運事件を解説していきます。

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争点

ユニオンショップ協定が憲法28条に定める労働基本権に違反しないか。

 

判決

ユニオンショップ協定とは

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①労働者が労働組合の組合員たる資格を取得せず又はこれを失った場合に、使用者をして当該労働者との雇用関係を終了させることにより間接的に労働組合の組織の拡大強化を図ろうとするもの(上記の図)

②他方、労働者には、自らの団結権を行使するため労働組合を選択する自由がある。

③また、ユニオン・ショップ協定を締結している労働組合の団結権と同様、同協定を締結していない他の労働組合の団結権も等しく尊重されるべきである。

※Wikipediaでは、「職場において労働者が必ず労働組合に加入しなければならないという制度」と要約されます。

 

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ユニオン・ショップ協定によって、労働者に対し、解雇の威嚇の下に特定の労働組合への加入を強制することは、それが労働者の組合選択の自由及び他の労働組合の団結権を侵害する場合には許されないものというべき、とします。

ユニオン・ショップ協定のうち、締結組合以外の他の労働組合に加入している者及び締結組合から脱退し又は除名されたが、他の労働組合に加入し又は新たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、右の観点からして、民法九〇条の規定により、これを無効と解すべきである(憲法28条参照)としました。

 

まとめ

そうすると、使用者が、ユニオン・ショップ協定に基づき、このような労働者に対してした解雇は、同協定に基づく解雇義務が生じていないのにされたものであるから、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものとして是認することはできず、他に解雇の合理性を裏付ける特段の事由がない限り、解雇権の濫用として無効であるといわざるを得ない、としました。

 

争議行為に関する判例もご覧ください。

www.eityan-houritu.site


 

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