司法試験H22公法系科目第13問【天皇の地位又は機能】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H22第13問を解説していきます。

司法試験H22公法系科目第12問

 

 

〔第13問〕(配点:2) 天皇の地位又は権能に関する次のアからウまでの各記述について,明らかに誤っている記述をすべて挙げたものを,後記1から7までの中から選びなさい。(解答欄は,[№25]) ア.天皇の国事行為に関する最高裁判所の判例によれば,内閣の「助言」とは内閣から天皇への事前の申出であり,「承認」とは天皇の行為が「助言」の趣旨に合致するものであると事後に認めることであって,いずれも閣議により決定しなければならないとされている。 イ.天皇の「象徴としての行為」を認める立場からは,天皇が全国植樹祭に出席すること及び魚類学の研究成果を公表することは,いずれも「象徴としての行為」に該当することとなるので,内閣の助言と承認により行われなければならない。 ウ.天皇に対する刑事訴追の可否については憲法上も法律上も明文の定めがないが,摂政や国事行為の臨時代行の委任を受けた皇族がその在任中あるいはその委任がされている間「訴追されない」とする法律の規定から類推して,天皇に対する刑事訴追は許されないものと解される。 1.アイウ 2.アイ 3.アウ 4.イウ 5.ア 6.イ 7.ウ 出典 問題『司法試験H22公法系科目』 解答『司法試験H22公法系科目

アについて

助言と承認の閣議決定を必要とするという最高裁判例は見当たらないため、解答は✖となります。

イについて

国事行為は内閣の助言と承認が必要ですが、象徴としての行為の場合には公的行為であると解され、助言と承認は必要とされません。そのため、解答は✖となります。

ウについて

委任されているものが刑事訴追を受けないのであれば、天皇も訴追を受けないと考えられるのが学説の多数説であるため、解答は◯となります。

以上、ア=イ=×なので解答は2となります。