憲法判例【剣道実技拒否事件】憲法20条政教分離原則

みなさん、こんにちは!

今日は、剣道実技拒否事件を解説していきます。

判決全文は最高裁判決になります。

スポンサードリンク 

 

事件

高専の生徒が信教上の理由で剣道実技を拒否し、学校側は単位不認定・原級留置の措置を執りました。

しかし、この生徒が次年度も続けて拒否し、学校側は、退学処分の措置をとった。

学校側は「単位認定を認める代替措置をとってしまうと、特定宗教を助長し政教分離原則違反になる」と主張しています。

争点

本件では、学校側の措置が違法かどうかが争点。

判決

・代替措置を認めないのは学生の信仰の自由に配慮をしていない

・原級留置処分・退学処分は裁量権の逸脱である

→学校側の処分を取り消した

代替措置の単位認定が政教分離原則に違反するかについては「代替措置を講じることは特定の宗教に対する援助をするわけではない」

代替措置は宗教援助ではない(目的効果基準の採用)

代替措置をせずに処分をした学校側の裁量権の逸脱であり、代替措置は宗教の援助には当たらず政教分離原則に違反しないということを覚えておきましょう

ここで、前回の津地鎮祭訴訟でも取り上げ、本判例にもある「目的効果基準」を紹介します。

 

スポンサードリンク 

 

目的効果基準

  1. 国や公共団体の行為が宗教的意義を持ち
  2. その行いの効果が宗教に対し援助・促進
  3. または、圧迫・干渉等になる

この基準に当てはまると、その行為が違法かどうかの対象となる。津地鎮祭訴訟ではこれに照らして公金支出は正当なものでした。

今回の判例では代替措置を認めることは、目的効果基準に当てはまらない。目的効果基準は重要です。この機会に覚えましょう。

練習問題 〇か×

www.eityan-houritu.site

①生徒が自らの信仰に基づき,その通学する公立校で義務付けられている授業の履修を拒んだため不利益処分を受けることになっても,公教育が特例なしに実施されるべきであることに鑑み,その不利益の内容や程度に関わりなく,これを受忍しなければならない。(司法試験 H26 【第5問】 ア)

答え ×

 

本件の宗教に関連した判例はこちらになります。

www.eityan-houritu.site

スポンサードリンク