司法試験H20公法系科目第20問【憲法改正の限界】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H20公法系科目第20問を解説していきます。

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〔第20問〕(配点:2) 憲法改正の限界については,理論上限界があるという立場(限界説)と限界がないという立場(無限界説)があるが,次のアからエまでの各記述のうち,限界説からの記述二つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。(解答欄は [№40])

ア. 憲法制定時の規範・価値によって将来の世代を拘束するのは不当である。

イ. 憲法の妥当性の根拠は,基本的人権の保障を含む根本規範である。

ウ. 憲法規範には実定化された自然法規範が含まれており,それは実定化されても自然法規範としての性質を失わない。

エ. 憲法規範中に価値序列や階層性を認めることはできない。

1. アとイ 2. アとウ

3. アとエ 4. イとウ

5. イとエ 6. ウとエ

出典

問題『司法試験H20公法系科目問題

解答『司法試験H20公法系科目解答

アについて

無限界説の立場になります。「制定当時の価値観」が「将来の価値観」を拘束してはならない、法は変わるものであるという見解です。

イについて

限界説の立場になります。憲法にも根本原理・根本規範があって、それを変えることはできないとう見解です。

ウについて

限界説の立場になります。実定憲法には自然法が上位し、その効力の有無は自然法への適合・不適合によって決まるというもので、自然法の拘束を受けているという見解になります。

エについて

無限界説の立場になります。憲法の中に価値序列・階層性は存在しておらず、憲法自体が改正を認めるのだから限界はないという見解です。 以上、解答は4となります。

 

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