司法試験H20公法系科目第15問【国政調査権】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H20公法系科目第15問を解説していきます。

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〔第15問〕(配点:2) 国政調査権に関する次のアからエまでの各記述について,明らかに誤っているもの二つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。(解答欄は[№33])

ア. ある刑事事件の係属中に,当該事件で審理されている事実と同一の事実について調査することは,それが立法目的又は行政監督目的で行われるものであっても許されない。

イ. ある罪に関する法改正の要否に関連して,犯罪捜査や公訴提起の状況等,その罪についての検察権の一般的な運用状況について調査することは許される。

ウ. 特定の個人の犯罪行為を発見し,これを処罰するのに必要な証拠を収集するためだけに国政調査権を行使することは,たとえその個人が現職の国会議員であったとしても許されない。

エ. 団体の規制に関する法改正の要否に関連して,議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律に基づき証人として出頭したある団体の代表者は,その個人的な信条を明らかにするように尋問された場合でも,証言を拒むことは許されない。

1. アとイ 2. アとウ

3. アとエ 4. イとウ

5. イとエ 6. ウとエ

出典

問題『司法試験H20公法系科目問題

解答『司法試験H20公法系科目解答

アについて

判決内容に影響を及ぼすような調査は許されませんが、それが立法・行政目的で行われるのであれば許されると解されます。 そのため、解答は✖となります。

イについて

それが裁判の内容に影響を及ぼすものでなく、立法目的の観点から行われているものであることから許されるものであると言えます。

そのため、解答は◯となります。

ウについて

国政と関係のないような事実を調査することはかえって司法権の独立を脅かすことにつながるため、三権分立の観点から国政調査権の範囲外だと解されます。

そのため、解答は◯となります。

エについて

国政調査であったとしても、基本的人権を侵害するようなものは許されるべきではないのだから、解答は✖となります。

以上、ア=エ=✖・イ=ウ=◯なので解答は3となります。

 

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