司法試験H20公法系科目第18問【予算及び決算】
みなさん、こんにちは!
今日は、司法試験H20公法系科目第18問を解説していきます。
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〔第18問〕(配点:2) 予算及び決算に関する次のアからエまでの各記述について,正しいもの二つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。(解答欄は,[№36])
ア. 一会計年度の期間については憲法上明文の規定はないが,国会の常会が毎年召集すべきこととされており,また,決算について毎年会計検査院が検査することとされていることから,憲法は会計年度を1年とすることを予定していると考えられる。
イ. 予算は,一会計年度における国の財政行為の準則であり,政府の行為を規律する法規範であるから,国の歳入が歳入予算に定められた金額を超えると見込まれる場合には,内閣は,補正予算を作成・提出し,国会の承認を得た上で徴収することになる。
ウ. 国の収入支出の決算は,次の年度に国会に提出され,審査がなされるが,既になされた支出が適正であったかどうかの事後審査であるから,国会が修正を加えることはできず,また,不承認の議決がなされても,既になされた収入支出に何ら影響を及ぼさない。
エ. 内閣は,国会及び国民に対し,定期に,少くとも毎年一回,国の財政状況について報告しなければならないが,国会に対しては,毎会計年度予算及び決算を提出しているから,この報告に関しては,成立した予算及び決算を国民に対して報告すれば足りる。
1. アとイ 2. アとウ
3. アとエ 4. イとウ
5. イとエ 6. ウとエ
出典
問題『司法試験H20公法系科目問題』
解答『司法試験H20公法系科目解答』
アについて
憲法86条内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
決算を検査するのが毎年とされているのだから、憲法も会計年度を1年としていることになると考えられる。 そのため、解答は◯となります。
イについて
予定していた予算通りにいかない場合、簡単に言えばお金が足りない場合に組まれるものであり、お金が足りているときに補正予算を組むのは適切ではないでしょう。
そのため、解答は✖となります。
ウについて
すでになされた収支は有効なのですから、決算について不承認の議決がなされてもすでになされた収支に影響を及ぼすことはありません。
そのため、解答は◯となります。