司法試験H22公法系科目第19問【予算の法的性格】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H22第19問を解説していきます。

〔第19問〕(配点:3) 予算の法的性格については,法律とは異なる独自の法形式であるとする見解(予算法規範説)と,法律の一種とする見解(予算法律説)がある。これらの見解に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№37]から[№39]) ア.予算法規範説は,提出権が内閣に属すること,衆議院に先議権があることなどを根拠とする。それに対して,予算法律説は,予算の制定手続が一般の法律と異なるのは憲法第59条第1項の「憲法に特別の定のある場合」に該当するとする。[№37] イ.国会が予算に対してどこまで修正をなし得るかについて,予算法規範説は修正に制限は存しないとする。それに対して,予算法律説は,予算の同一性を損なうような大修正はできないとする。[№38] ウ.予算は成立したのに,その支出を命ずる法律が制定されない場合について,予算法規範説は,内閣が支出を実行できるとする。それに対して,予算法律説は,内閣が法律案を提出して国会の議決を求めるしかないとする。[№39] 出典 問題『司法試験H22公法系科目』 解答『司法試験H22公法系科目

アについて

予算法規説は予算は法律とは異なる国法の一種であるため内閣に提出権があることなどを根拠としています。

予算法律説は、予算が先に衆議院に提出されなければならないという「特別の定」となるという点で普通の法律とは異なり、これは憲法59条を根拠としています。

そのため、解答は1となります。

イについて

予算法律説をとれば、法律を制定できる国会に修正の限界はないと解されるので、解答は2となります。

ウについて

予算形式説の場合、支出をするための法律が制定されていない場合には、内閣は根拠となる法律がないために支出を実行することができません。

そのため、解答は2となります。

ウの参考:参考

 

司法試験H22公法系科目第20問