司法試験H20公法系科目第10問【憲法40条】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H20公法系科目第10問を解説していきます。

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〔第10問〕(配点:3) 憲法第40条に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい (解答欄は,アからウの順に から ) 。 [№22] [№24]

ア. 抑留又は拘禁の上,起訴された者が無罪となった場合,刑事補償に加えて国家賠償も請求することができるが,後者が公務員の故意・過失を要件とするのに対して,前者はそれらを要件 としない。[№22]

イ. 最高裁判所の判例によれば,抑留又は拘禁の理由となった被疑事実が不起訴となった場合には,憲法第40条の補償問題は生じないが,実質上は無罪となった事実についての抑留又は拘禁と認められるものがあるときは,その部分は刑事補償の対象となり得る。[№23]

ウ. 最高裁判所の判例によれば,刑事訴訟法上の手続における無罪の確定裁判に限らず,少年審判手続における不処分決定事件でも,非行事実が認められないことを理由とする不処分決定である場合には,憲法第40条の「無罪の裁判」に含まれる。[№24]

出典

問題『司法試験H20公法系科目問題

解答『司法試験H20公法系科目解答

憲法40条

何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

アについて

刑事補償は違法行為によるものではないのに対して、国家賠償は公務員の不法行為による損害賠償となるので、解答は1となります。

イについて

【最高裁昭和31年12月24日判決】

上記判決では、不起訴とされた事実に基づく拘禁・拘留であっても、その中に無罪となった事実についての抑留・拘禁と認められるものがあれば、憲法40条の適用があるとしています。

そのため、解答は1となります。

ウについて

【最高裁平成3年3月29日判決】

非行事実が認められないことを理由とする不処分決定でも、「無罪の裁判」に含まれず憲法40条の適用もされていません。 そのため、解答は2となります。

 

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