司法試験民法短答式試験H28第31問【普通養子縁組】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H28民法第31問を解説していきます。  

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〔第31問〕(配点:2) 普通養子縁組に関する次の1から4までの各記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[№31])

1.養子は養親と離縁しない限り,他の者の養子になることはできない。

2.配偶者のある者が未成年者を養子とするには,配偶者の嫡出子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合を除き,配偶者とともにしなければならない。

3.後見人が被後見人を養子にする場合において,その被後見人が未成年者であり,後見人と親族関係にないときは,未成年者を養子とすることについて家庭裁判所の許可を得れば,被後見人を養子とすることについて家庭裁判所の許可を得る必要はない。

4.未成年者は,父母の共同親権に服する間は,祖父母との間で養子縁組をすることができない。

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/001182604.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/001184007.pdf

1について

婚姻に関しては733条に基づく再婚禁止規定がありますが、養子縁組にはそのような規定はなく、養親と離縁しなくても他の者の養子となることが可能です。 そのため、解答は✖となります。

2について

民法795条
配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。

民法795条に述べられるとおり、配偶者のある者が未成年者を養子とする場合には原則、配偶者とともにしなければならないため解答は◯となります。

3について

民法794条
後見人が被後見人(未成年被後見人及び成年被後見人をいう。以下同じ。)を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。後見人の任務が終了した後、まだその管理の計算が終わらない間も、同様とする。

未成年者を養子とすることの許可を得ても、被後見人を養子とすることの許可を得る必要があるので、解答は✖となります。

4について

民法818条2項
子が養子であるときは、養親の親権に服する。

父母の共同親権に服していても、792条~798条の縁組阻害事由に該当していなければ祖父母と縁組をすることも可能です。

818条2項でも養子であれば養親の親権に服すると規定されているので、ここからも養親が祖父母でもいいことが読み取れます。 そのため、解答は✖となります。

 

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