司法試験H22公法系科目第3問【法の下の平等】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H22第3問を解説していきます。

司法試験H22公法系科目第2問

〔第3問〕(配点:3) 法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順[№5]から[№7]) ア.国民の租税負担を定めるには,国政全般からの総合的政策判断と,極めて専門技術的な判断が必要となるので,租税法の分野における取扱いの区別は,立法目的が正当で,区別の態様が目的との関連で著しく不合理でない限り,憲法第14条第1項に違反しない。[№5] イ.憲法第14条第1項後段に列挙された事由は例示的なものであって,必ずしもこれに限る趣旨ではない。また,第14条第1項は,合理的理由のない区別を禁止する趣旨であるから,事柄の性質に即応して合理的と認められる区別は許される。[№6] ウ.社会保障給付の受給が争われている場合には,法令等の憲法第25条違反の問題と第14条第1項違反の問題は一括して審査され,法令等の内容が著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱,濫用とみざるを得ない場合を除き,違憲とは判断されない。[№7] 出典 問題『司法試験H22公法系科目』 解答『司法試験H22公法系科目

アについて

【サラリーマン税金訴訟】

判決要旨では「租税法の分野における所得の性質の違い等を理由とする取扱いの区別は、その立法目的が正当なものであり、かつ、当該立法において具体的に採用された区別の態様が右目的との関連で著しく不合理であることが明らかでない限り、憲法一四条一項に違反するものということはできない」とされています。

ほの
立法目的が正当で区別が目的に関して合理的なら憲法14条1項には違反しない。
そのため、解答は1となります。

イについて

【立山町高齢職員処分事件】

憲法14条1項

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
上記判例では、「高齢」というものも14条1項で列挙されているものに該当するとしていますが、合理的な差別なら許されるとしているため、解答は1となります。

ウについて

【堀木訴訟】

社会保障給付のようなものは立法府に裁量があり、それゆえに、「それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合を除き、裁判所が審査判断するのに適しない事柄であるといわなければならない」としています。

また、併給調整に関して、25条違反の問題と13・14条違反の問題は別々に判断がなされているため、解答は2となります。

 

司法試験H22公法系科目第4問