司法書士試験H30午前の部第3問【条例制定権】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法書士試験H30午前の部第3問を解説していきます。

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第3問 次の文章は,条例制定権についての文章である。判例の趣旨に照らし,(   )の中に後記の語句群の中から適切な語句を選択して文章を完成させた場合に,( ア )から( オ )までに入る語句の組合せとして,最も適切なものは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。

条例が国の法令に違反するかどうかは,両者の対象事項と規定文言を対比するのみではなく,それぞれの趣旨,( ア ),内容及び効果を比較し,両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決しなければならない。

例えば,ある事項について国の法令中にこれを規律する明文の規定がない場合でも,当該法令全体からみて,当該規定の欠如が特にその事項について( イ )であると解されるときは,これについて規律を設ける条例の規定は国の法令に違反することとなり得る。

逆に,ある事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも,後者が前者とは別の( ア )に基づく規律を意図するものであり,その適用によって前者の規定の意図する( ア )と効果を阻害することがないときや,両者が同一の( ア )に出たものであっても,国の法令が必ずしもその規定によって( ウ )ではなく,( エ )であると解されるときは,国の法令と条例との間には矛盾抵触はなく,条例が国の法令に違反する問題は生じない。

また,条例で罰則を定める場合,罪刑法定主義を定めた憲法第 31 条との関係でも問題となるが,憲法第 31 条は,必ずしも刑罰が全て法律そのもので定められなければならないとするものではなく,法律の授権によって,それ以下の法令によって定めることもできると解すべきである上,法律の授権については,( オ )。

【語句群】

目的 ア

立法の経緯

全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨 ウ

条例において法令の細目を定めることを委任する趣旨

地方の実情に応じて別段の規制を施すことを容認する趣旨 エ

いかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨 イ

相当な程度に具体的であり,限定されていれば足りると解される オ

包括的な委任があれば足りると解される

1  ア 目的
  ウ 条例において法令の細目を定めることを委任する趣旨

2  ア 立法の経緯
  エ 全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨

3  イ 条例において法令の細目を定めることを委任する趣旨
  エ 地方の実情に応じて別段の規制を施すことを容認する趣旨

4  イ いかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨
  オ 相当な程度に具体的であり,限定されていれば足りると解される

5  ウ 全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨
  オ 包括的な委任があれば足りると解される

出典

問題『http://www.moj.go.jp/content/001266146.pdf

解答『http://www.moj.go.jp/content/001266144.pdf

本問題は徳島市公安条例事件になります。

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解答

ア:目的

イ:いかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨

ウ:全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨

エ:地方の実情に応じて別段の規制を施すことを容認する趣旨

オ:相当な程度に具体的であり,限定されていれば足りると解される

⇒包括委任となると、委任の範囲が広くなってしまうため、特定のものに限定して委任する限定した委任となっています。

解答は以上なので、イ・オの4が正解となります。