憲法判例【尊属殺重罰規定違憲判決】憲法14条法の下の平等

みなさん、こんにちは!

今日は尊属殺重罰規定違憲判決を解説します。

参考は最高裁判決になります。

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争点

尊属殺の重罰規定が、憲法14条1項の法の下の平等に違反するかが争われました。

※尊属殺重罰規定

尊属殺は普通殺人罪と比べ、刑が重くなっており最低でも無期懲役か、死刑の規定(重罰規定)でした。

判決

刑罰が無期懲役または死刑に限られている点について

「あまりに厳しいものというべく、立法目的すなわち、尊属に対する敬愛や報恩という目的情愛ないし普遍的倫理の維持尊重の観点のみをもってしては、これにつき十分納得すべき説明がつきかねるところであり、合理的根拠に基づく差別的取り扱いとして正当化することはとうていできない」

尊属殺重罰規定は厳しすぎるうえ、また、立法目的も根拠が不十分で理解できるところがないということですね。

確かに、尊属へ恩恵などがあることが前提で、刑罰が重くされていますから尊属殺重罰規定の立法目的が不十分といえます。 

刑法200条の尊属殺重罰規定について

立法目的達成のため必要な限度を遥かに超え、普通に関する刑法199条の法定刑に比し著しく不合理な差別的取扱いをするものと認められ、憲法14条1項に違反して無効であるとしなければならず」

この規定は違法である

そして、この尊属殺重罰規定が違法なため、刑法199条の規定が適用されました。

刑が過度に重すぎること、また、立法目的が不十分で重罰規定は違憲と覚えましょう。 

練習問題 〇か×

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①尊属殺という特別の罪を設け,刑罰を加重すること自体は直ちに違憲とはならないが,加重の程度が極端であって,立法目的達成の手段として甚だしく均衡を失し,これを正当化し得べき根拠を見出し得ないときは,その差別は著しく不合理なものとして違憲となる。(司法試験 H26 【第3問】 ウ)

答え 〇

 

法令違憲についての判例はこちらもご覧ください。 

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