憲法判例【最高裁判所裁判官国民審査の効力に関する異議】と憲法19条思想良心の自由
みなさん、こんにちは!
今日は、最高裁判所裁判官国民審査の効力に関する異議を解説します。
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争点
最高裁判所裁判官の国民審査制が、思想良心の自由に反しないか。
国民審査制では罷免したい裁判官に×印を何も書かれていないものは、棄権票ではなく罷免しない票として扱われていました。
判決
まず、国民審査制というのは、裁判官を任命するための制度ではなく罷免するかしないかを決定する制度としています。
これを踏まえたうえで、次に国民審査制についてみていきましょう。
積極的に罷免を可とする票と、罷免を可としない票に分かれているから「罷免する方がいいかわからない者は積極的に罷免を可とする者に属しない」
これは、罷免するかしないかの制度ですから、当然に導き出されることです。
そして、この積極的に罷免を可としない者の投票は、積極的に罷免を可としない投票に入るのが自然であるとしました。
国民審査制は解職の制度という性質から、罷免する方がいいかわからない者の投票を積極的に罷免を可としない票として扱うのはその人の意思に反する効果を発生させるものではありません。
罷免する=解職する制度の本質からいえば、その人の考えに沿う効果を発生させています。
このように、国民審査制は思想・良心の自由を制限しているものではないとしました。制度の本質などから、思想良心の自由を制限しないとした判例と覚えておきましょう。
思想良心の自由についてはこちらの判例もご覧ください。
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